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のらねこ旅日記≪旅先ひとりご飯≫

  何度か書いていますが、私はお酒が飲めません。
正確には、少しは飲めるものの、すぐに具合が悪くなるし、お酒自体そんなに好きでもないので、最初の乾杯ぐらいで十分。美味しいと思うのは、ビールの最初の1口ぐらいです。

  モルディブのホテルのレストランで、サマードレス姿の友人Aはワイン、黒Tシャツで黒ジーンズの私はコーラで食事をとっていると、ウェイターさんが、何やらAに話しかけていました。
「何を話していたの?」と聞くと
「あんたの友達はイスラム教徒か?って聞かれたから、違うって答えたわ」と、A は笑いながら答えました。
お酒を飲まないのでイスラム教徒と思われたようです。
(モルディブ人はイスラム教徒なので、お酒を扱う従業員は仏教徒のスリランカ人らしい)

  連れがいる時はいいのですが、ひとり旅だと、お酒が飲めない私は入れるお店が限られてしまいます。
ライブ終わりだと、時間が遅いので開いているお店が居酒屋ぐらいだったり、特に地方だと閉店時間が早かったりで、結局コンビニご飯になることも多いです。
  札幌や博多はラーメン屋さんが開いているので助かっていますが、山形にライブでいった時は、ライブハウスと山形駅の途中にホテルがあって、ライブ終了後、駅前までごはんを食べ行くのが面倒くさくなりました。
近くにコンビニもなく、ホテルの自販機にカレーライス(ヒモを引っ張るとごはんが加熱され、その熱でレトルトカレーも暖めるタイプ)があったので、それを部屋で食べました。
  そんなわけで、地方に行った時の晩ごはんはテキトーに済ませて、お昼にはその土地の名物を食べるようになりました。
  広島では、昼に宮島で穴子天丼を食べ、夕食はホテルでデリバリーの広島焼きでした。
  博多でのお昼は、もらったクーポンを使って、老舗割烹の鯛茶漬けを食べに行きました。
お昼時を少し外したのですが、1階のテーブル席はいっぱいで、2階のお座敷に通されました。
そこは、大広間にいくつかの座卓がお置かれていて、3組のお客さんがお食事をしていました。
さすが名物とあって、鯛茶漬けはとても美味しく、じっくり味わっていただいていると、お客さんは私だけになっていました。
すると仲居さんたちがお座敷の真ん中に座卓をつなげて並べ始めました。
『団体さんが来るのかな?』と思っていると、十数人のグループがやってきました。
スーツを来た中年男性が3人(うち1名モヒカン)と、ラフな格好の若い男女と、キャスケット帽にファーのショートコート、ハーフパンツで派手なフレームのサングラスをかけた男性が1人だけ目立っていました。
『なんか不思議な集団だなぁ』と思ってよく見てみると
シンガーソングライターの『マッキー』さんでした。
ちょうど、福岡市内でコンサートだったようで、プロモーターさんに連れられて、スタッフさんたちと一緒に鯛茶漬けを食べに来たようでした。
『自分の推しと、こんな風に遭遇できたら最高なんだけどなぁ』と、思いながら鯛茶漬けを食べ終えた私は、お会計をするために、そっと大広間を後にしました。



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