見出し画像

ガバメントクラウドファンディングの成功に必要な準備

「たった一人のチャレンジから、地域が活性化する」

KITAICHIは地域づくり会社として、地域で新しいことにチャレンジする人のクラウドファンディングの成功サポートを行っています。

クラウドファンディングの成功だけでなく、その先の事業の成長や地域活性化に貢献できるように伴走しています。

地域づくりの火は、たった一人の小さなチャレンジから始まると考えており、地域で頑張る人を応援する手段としてクラウドファンディングを活用しています。

今回は、自治体が取り組むふるさと納税型のクラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング)を取り上げます。

初めて実施した夕張高校魅力化プロジェクトのクラウドファンディング


ガバメントクラウドファンディングの可能性

①ほぼ自己負担なく支援することができる

私は前職でガバメントクラウドファンディングを300プロジェクト以上サポートしてきました。夕張市役所時代には、「夕張高校魅力化プロジェクト」のクラウドファンディングを実施しました。

ふるさと納税は、自治体への寄付を所得に応じた限度額まで税控除できる制度です。所得に応じた限度額までであれば、ほぼ自己負担なしで支援することが可能です。

年収500万円の方であれば5~6万円、年収2,000万円の方であれば50万円ほどがほぼ自己負担なしで支援することができます。

出身者の方はふるさと納税だと応援しやすいですし、つながりのある経営者の方がいれば多額の支援をいただくことも可能です。数千万円を超えるプロジェクトもめずらしくありません。

返礼品を目的としたふるさと納税の楽しみ方はもちろんありますが、年1兆円が流通しているというふるさと納税の一部を、お世話になった自治体や育ててもらった自治体の取り組みに支援することは、今後も広がっていくと考えています。


②すでにたくさんの人のつながりがあること

自治体には、その地域で育った想いある出身者や、高校の卒業生、仕事でお世話になった人など、多くの人のつながりが存在します。

実際、「夕張高校魅力化プロジェクト」のクラウドファンディングには2,000万円以上の支援が集まりましたが、500万円の支援をしてくれた出身者の方が2人もいらっしゃいました。

住民も支援することが可能です(返礼品を受け取ることはできません)。寄付をして、税控除するので、財源確保の観点からはプラマイゼロとなりますが、自分の税金の使い道を選択する、まちづくりを自分ごととして関わっていただける観点から考えると、住民からの支援は大きなプラスです。

自己負担の少ないふるさと納税制度を活用でき、人のつながりがたくさんある自治体が取り組むガバメントクラウドファンディングは、非常に可能性がありますよね。


ガバメントクラウドファンディングの難しさ

①しっかりPRしないと支援が集まらない

みなさんはふるさと納税をしたことはありますでしょうか。または、ガバメントクラウドファンディングで支援したことはありますか。

前者はあっても、後者はほとんどいらっしゃらないと思います。

ふるさと納税は、地域産品がお礼としてもらえる返礼品の魅力とお得感から、急速に広がっていきました。その一方で、使い道からふるさと納税先を選ぶ人はまだまだ少ないのが現状です。

ふるさと納税は、返礼品が魅力的であれば、自動的に寄付が集まることもありますが、ガバメントクラウドファンディングはPR活動しなければ絶対に支援は集まりません。

大事なのでもう一度言いますが、絶対にです。

数千万円集まる可能性がある魅力的なプロジェクトでも、何もしなければ数万円で終わってしまうのが、ガバメントクラウドファンディングです。


②通常とは異なる予算対応が必要

通常、自治体の予算執行は、庁内での予算要求、議会での議決を経て、ようやく着手することができます。

ガバメントクラウドファンディングは、あらかじめ「このプロジェクトにお金を使います」と宣言して寄付募集を行うため、通常の予算対応とは異なる状態となります。

・クラファン実施前に、一般財源で予算を議決しておき、クラファンで集まった寄付額を補正予算で財源振替する

・または、議会の理解をいただいたうえで、クラファンを実施する

という2パターンを選択することとなります。夕張市で実施したときは、時間の猶予がなく、後者で進めることとしました。

議決されていない事業について、寄付募集をするので、議員さんの理解をいただけなければ、大きなトラブルに発展する可能性があります。場合によっては「議会軽視」と指摘されるかもしれません。

夕張市では、議員さん向けの説明会を実施させていただいた結果、議員さんも進めるべきという理解をいただき、ガバメントクラウドファンディングを実施するに至ったのです。

時間に余裕がある場合は、前者を選択して進められたほうが、スムーズだと思います。


ガバメントクラウドファンディングの成功のポイント

①クラウドファンディング向きの事業を選ぶ

どんな事業でもクラウドファンディングが成功するかというと、正直言ってそうではありません。

例えば、体育館の壁を修繕するクラファンがあっても、よほど利用してお世話になっている体育館でなければ、応援したいとは思いませんよね。

ふるさと納税をする人は基本的に住民以外の方になるので、自分ごととしてプロジェクトを応援したいと思ってもらえる事業でなければなりません。


〇動物の命を守るプロジェクト

動物好きの方々には寄付文化があり、犬猫の殺処分をなくすことや、競走馬のセカンドキャリアをつくるプロジェクトなど、応援したい取り組みには寄付が集まります。


〇災害や復興に関するプロジェクト

災害復興は、ふるさと納税の使い道として、最も有効な活用方法ではないでしょうか。応援したい気持ちを寄付として地域に貢献することができます。首里城の火災の際には、9億円以上の寄付が集まりました。


〇社会的に意義のあるプロジェクト

地域に閉ざされたプロジェクトではなく、社会的に意義のある取り組みや、子どもの貧困や命を守るための取り組みは、支援者目線でぜひ応援したいと感じます。

ふるさと納税の選択できる使い道のなかで、「子どもたちのため」という項目が最も多く選ばれているように、寄付者は意義あることに税金を使ってほしいと考えています。


〇すでに多くのファンがいるプロジェクト

スポーツクラブ、アニメ、鉄道など、すでに多くの人に愛されている取り組みは、PR活動もしやすく、自分ごととして捉えていただきやすいので、オススメです。

自分の知り合いは、登山道修復のプロジェクトに寄付しました。日頃から登っている山で、登山道の整備している方に感謝を感じていたと言います。

感謝の気持ちを表すことができ、返礼品として宿泊券をもらい、それでまた登山に行き、登山道が整備されているのを見ると、自分の寄付が役に立ったという実感を持てたと言っていました。

こんな実感ある寄付が毎年つながっていくといいですよね。


②PR活動の計画を立てて、粘り強くPRする

これが成功するかしないかの最重要ポイントです。

通常のクラウドファンディングでは、自分のプロジェクトなので、PR活動を積極的に行えるものですが、
自治体のプロジェクトだと担当職員さんが積極的にPRするほど自分ごとになるのは難しいですよね。

だからこそ、ターゲットを絞ってやることを決めておかなければ、なんとなく時間が過ぎて終わってしまいます。


〇庁内職員からの寄付

役場の職員すら寄付したいと思えないプロジェクトは、住民の方はもっと応援しにくいですよね。ましてや、地域外の方が寄付するのはもっとハードルがあります。

前述のとおり、ふるさと納税は自己負担がほぼないので、まずは身内から応援を集めることが重要です。

クラファンはスタートダッシュだ重要とされています。新規オープンした開店したお店が、一人もお客さんが入っていなかったら、不安になりますよね。お店に足を運べない地域外の方は、なおさら入ることができません。

初日にまずはみんなでプロジェクトを応援し、たくさんの人にPRする。役場全体がそんな雰囲気で盛り上がれば、たくさんの人に応援いただけるプロジェクトになります。


〇経営者へのトップセールス

ふるさと納税は、所得に応じて応援できる金額の幅が変わるので、首長がつながっている経営者などへ、寄付の依頼をいただくことは効果的です。

経営者は、返礼品(モノ)よりも地域貢献意識が高い方が多いので、プロジェクトに共感したら、応援してくれるはずです。


〇7回見せるPR活動

支援する意識があった人が、支援しなかった理由で最も多いのが、「知らなかったから」です。

かなりPR活動したと思っていても、二軒隣の人が「知らなかった」と言われることがあります。それくらい、情報を伝えるのは難しいものなのです。

次に多いのは、「忘れていた」です。1回SNSでPRして安心していてはいけません。人は忘れやすいです。その場で寄付しない限り、情報はどんどん流れて行ってしまいます。

ファンドレイジングでは、7回情報を見ないと寄付行動に至らないという話があるように、「後でやろう」とスマホを閉じられてしまうと、自分から再度アクセスすることはありません。

うっとしいと思われるかもしれませんが、7回見てもらえるくらい、粘り強くPRしましょう。人は忘れやすいので、意外とうっとしいと思われることはありません。


③事業の担当職員がPRを担当する

自治体の業務分担により、事業に全く関わりのないふるさと納税担当者が、クラファンを担当するというケースが結構あります。

どう考えても、熱量込めてPR活動できるはずがありません。

PRを担当するのは、必ず事業の担当職員の方が担ってください。もちろん、他の職員も他人事ではなく、チームで担うことが大切です。

チームをつくることがものすごく重要なので、準備として必ずやっていただきたいです。

まだまだ細かいテクニックはありますが、これらを実践いただければ、大きな失敗をすることはないはずです!


ガバメントクラウドファンディングの無料相談に対応いたします!

せっかくの素晴らしいプロジェクトなのに、寄付が集まらなかったらどうしよう。クラファンを担当される方は、ものすごく不安だと思います。

いま考えているプロジェクトをご相談いただき、どう進めたらよいか一緒に考えましょう!困ったら、KITAICHIを頼ってください。

〇予約可能な日時は、平日の9:00~18:00で、最大60分までとなります。

〇以下のリンクから、ご希望のお時間にご予約ください。

〇ご予約いただきましたら、ZOOMのURLをお送りさせていただきます。

※時間変更させていただく場合がありますので、何卒ご了承ください。

または、下記にメールをいただけますと幸いです。

info@kita1.jp

一緒にプロジェクトを実現させましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?