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子どもの貧困に少しでも笑顔を届けたい【NPOおてらおやつクラブ×奈良県田原本町】

NPOおてらおやつクラブは、
子どもの貧困問題を解決するため、おてらに寄せられた「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として、経済的に困難な状況にある家庭に「おすそわけ」する活動を行っています。

毎日のように寄せられるひとり親家庭などからの「助けて」の声を受け、お米やお菓子、日用品などを届けています。

日本の子どもの7人に一人が貧困とされており、社会課題となっているなか、田原本町と「ひとり親家庭への支援に関する協定」を締結し、官民協働で課題解決に向け取り組んでいます。

今回、ほんのわずかながらで申し訳ありませんが、発送作業をお手伝いさせていただきました。


単に支援物資を発送するだけの活動じゃない!

実際に作業をお手伝いさせていただいてわかったこと。

それは、ただ物資を送っているだけの作業じゃない!ということ。

困っている人たちに、少しでも喜んでもらえるようにと、本当にたくさんの心遣いがありました。

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心遣い① 必要性の高いお米、マスクは必ず入れる

心遣い② 段ボールのすき間を最大限活用し、一つでも多くの物資を届ける

一つでも多くの食べ物を届けられるよう、段ボールの容量を最大限活用して支援物資を箱詰めしていきます。

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食べ物だけではありません。寄付として寄せられた生理用品や、シャンプーセットなどの生活用品も一緒に送ります。

心遣い③ 丁寧に入れてくれたと思ってもらえるように、商品パッケージを必ず上向きに入れる

この活動には、「人が関わっている」ことを、細かな作業の工夫によって伝えています。受け取った人が自分のために考えてくれたんだな、と少しでも嬉しい気持ちになってくれたらと行っているんだそうです。

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心遣い④ 一人一人に手紙を書く

「食べ物を囲んで、ホッと一息ついて、楽しい時間を過ごしてくださいね」
そんな想いを込めた手紙を初めての方には同封しています。

決して一人ではなく、困ったときは支えてくれる人がいることを、おすそわけを通して伝えているのです。

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コロナ禍のなかで、経済的に厳しい家庭は急増中

おてらおやつクラブには日々、「助けて」の声が届いています。

直接支援している家庭は、2020年3月は350世帯でしたが、2021年6月には2,000世帯を超え、1年半でじつに5倍以上になっています。

緊急事態宣言による自粛で、仕事ができない状態になった方も多く、直接支援家庭の3割は収入なしの状態とのことです。

子ども食堂のような支援施設も開けなくなり、さらに学校の給食もストップし、本当に厳しいという声が寄せられています。


田原本町との連携による効果的な支援のカタチ

おてらおやつクラブと田原本町は、「ひとり親家庭への支援に関する協定」を締結しています。

生活に本当に困ったとき、支援の手が欲しくても、役場にはなかなか「助けて」の声をあげられない現状があります。地方に行けば行くほど、その傾向は強くなります。

担当の方が顔見知りだったり、支援を求める窓口に行ったときの人目を気にしてしまったり、制度をよく知らなかったりと、理由は様々あります。

そこで、田原本町役場の子ども子育て担当窓口に、おてらおやつクラブのチラシや名刺を配置しています。

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役場には言いにくい人でも、おてらになら伝えられる。ようやく拾えた「助けて」の声をもとに、支援の物資を即時届けています。

また、おてらおやつクラブからは、行政支援などの情報も届けることで、本当に困った時に行政に頼れるような流れを作っています。

両者には、それぞれにしかできない役割があり、
連携することで、より効果的が支援ができることを、取り組みのなかで実感していると話されていました。

自分も誰かのためになれる実感を得て

おてらおやつクラブのボランティアの方に、「手伝ってくれてありがとう」と伝えると、「こちらこそ、こんな活動に関わらせてくれてありがとう」と答える人がいるといいます。

本当に、日々支援にあたっている方々には申し訳ありませんが、
自分もほんの少しだけ作業をさせていただいて、誰かのために少しでも役立てた気持ちになり、充実した気持ちがありました。

寄付は幸福度を高めるという研究があるみたいですが、まさにそういう気持ちになりました。

受け取った方の中にも、仕事が無事に見つかり、支援から卒業し、今度は支援者側として寄付をしている方もいるんだそうです。

そういった幸福のつながりが広がっている活動だと感じました。
いま困っている人も、一人じゃない。助けてくれる人が必ずいるので、「助けて」の声をあげてほしいです。

自分ももう一歩、誰かのための活動に参加していきたい。

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