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うちのちっちゃな物語

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これは、立正佼成会の女性教会長たちの「うち」で起こった物語。 どこのうちにもあるような事件。あるいは見逃してしまいそうな些細なできごと。 夫婦のこと。子育てのこと。嫁、姑のこと…
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#娘

娘の一言に「はっと」して

カスミソウ 新幹線で赴任先から帰ってくる私をいつも車で迎えに来てくれる娘と「おかえりなさい」「ただいま」と、言葉をかわす瞬間を今はとても幸せに感じています。 娘は、反抗期が人より少し早く、小学2年から小学4年まで続きました。口喧嘩が始まると、30分でも1時間でもくってかかる日々。あるとき、あまりのひどいへりくつに、つい手をあげてしまい、しかも3回ほど叩いてしまいました。すると、娘は私の顔を冷静にみながら「今の3回叩く必要ないよね」「1回でもよかったよね!」と言ったのです。

デリカシーのない私

ダリア・マザー 窓から庭の草花の豊かな香りと、初夏の薫風が流れ込むリビングに、娘たちの笑い声が溢れる。連休に帰省した姉と話す妹は、嬉しさを隠しきれない。久しぶりに家族揃って食卓を囲む一家団欒は、至福のひとときです。 食事をしながら会話が弾み、笑顔でいたのも束の間、私が何気なく質問したひと言が場の空気を一転させてしまいました。娘が眉間にしわを寄せて「お母さんは、デリカシーがない」と言うのです。一体何がそう思わせたのか、尋ねても教えてもらえず、心が悶々とし始めました。「私が、

令和5年 降誕会

あきちゃん 婦人部員の私だったころ。年長さんになる娘は、大聖堂でのお稚児さんのお役をいただきました…ピンクの稚児さんの衣装を着て、頭に冠をかぶり、クロスにした手にはお花をもって緊張した面持ちで式典に臨みました。きっと、あの時もたくさんの稚児さんがいたのだと思いますが、私はわが娘しか見ていません。当時は、聖堂から旧本部までの練り歩いたような気がします。初めての草履で、娘は嫌だとも、痛いとも言わず、にこりともせず、一生懸命歩いて、ゴールである旧本部の花見堂に到着。灌仏会でやっと

親子対決の果て

教会長:レディー・おカカ 先日、3年ぶりに主人と娘と3人で温泉に行ってきました。このご時世、三人の休日を合わせることが出来たのはラッキーなことです。冬の温泉で身も心もほっこりと温められ、解されて帰る頃。チェックアウトの時間が迫り、部屋を片付け見回して、私の一言「うーん、片付け早いね。〇〇、みんなやればできるねぇ…」すると、娘が「何を言ってんの。自然なことですよ。余計なことしなければ…」と、穏やかに笑いながら申すわけです。心がやんわりして一気に回想録が出現。娘の思春期、壮絶な

いつもあげちゃう⁈

元教会長:ひさすえとまこ 「のりはー?」と我が家の2階のキッチンの小窓から、子供たちが小学校へと坂を上って歩いていく背中に叫びました。娘の返事は「えー!のり、食べたー!」えっ⁈朝食に海苔を食べた話じゃなくて、今日図画工作で使う糊を忘れずに持ったの?と聞いているのに。 おおらかでなんでも人にあげるのが好きな長女は、図工で糊を使うので、家にある糊を集めて4つ持っていくと、準備していたのです。ですが、昨晩、机の上に置いたままになっていたのを思い出して、私は、叫んだのでした。 「