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ジャズは難しい?

ジャズって難しい。ジャズは、大人が聞くもの。知識がないと楽しめないもの。

20代後半までずっとそう思っていた。

ジャズとの出会いと食わず嫌い

初めてジャズというものを知ったのは、確か山田詠美さんの小説だかエッセイだかで、10代後半だった。その頃は山田詠美さんの書く世界に憧れていた。それと共にその世界は遠いもの、非現実的なものに感じていた。その中に出てきたので、大人が聞くものというイメージが出来上がったのだろう。
そして、ジャズ喫茶やジャズバーなど、他のジャンルにはないこれらが、私にジャズというジャンルが何か特別なもののような、敷居の高いものというイメージを強化した。

ジャズを聴いてみたら

20代になり、バーへ行くようになった。お酒と会話の楽しさはあったけれど、それよりもそこで初めて聴く音楽、知らないアーティストを教えてもらうことが本当に楽しくて通い詰めた。マスターは割とマニアックな選曲をされていて、私がこの曲好きと言うと、嬉しそうにこのアーティスト好きなんだけど、あんまり好きと言ってくれる人がいないんだよね、と言い、それからこれも好きじゃない? と色々教えてくれるようになったのだ。
ある時、マスターにジャズについて尋ねてみた。
「ジャズに興味があるけど、難しそう。聞きたいけど何から聞いから良いかな」
「スタンダードから聞いてみたら」
でたー、スタンダードがわからないから聞いてるのに!やっぱりジャズって難しいやん!そう思っている私にMDを作ってくれた。

ハスキーな女性の声が好きなのだが、カサンドラウィルソン、ダイアンリーブスやダイアナクラールなど今でも大好きなアーティストが入っていたように思う。ジャズって格好いい!そう思って著名なアーティストを調べてCDを聞きまくった。色々聞いていると、同じ曲を様々なアーティストが演奏したり歌ったりしている。それこそ私がなんなん?!と思っていたスタンダードナンバーだった。

ジャズの醍醐味、ライブ

ジャズって難しくもないし、良い音楽だなと感じはじめた私は、ライブへ行ってみることにした。幸い、住んでいた街にはライブをやっているジャズバーが多くあり、ジャズストリートというジャズのイベントも行われていた。初めてのライブはどなたのライブだったかは忘れてしまったけれど、それでもジャズのライブはCDで聴くよりも、格段に楽しかった。

ジャズライブの魅力を一言でいうと、自由。もちろん色々な決まり事はあるのだろうけれど、特にソロパートではアドリブで様々な演奏をする。とても楽しそうに、嬉しそうに演奏される方が多くて、観ているだけでこちらも楽しくなる。それが観たくてライブに行っていると言っても過言ではない。2度と同じ演奏はないと思うと、その場その場がとても愛おしい。

詳しくなくても楽しめるジャズ

ジャズは大好きだけれど、アーティストも曲もそんなに知らないし、知識としては全然ない。でも他の音楽と同じように、好きなアーティスト、曲を楽しんだらいいんだなと思うようになった。ジャズと一言で言ってもその幅はとても広い。私は特に女性ボーカルか4人程度の少人数編成、ピアノだけのものが好きなのだが、ほかにも様々なジャンルがある。きっと自分にピタっと合った気にいるものがあるので、気軽に楽しんでみて欲しい。

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