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ナルシストがうつ病になるメカニズム


世の中には、うつ病になりやすいと言われている性格があります。

・ 依存性パーソナリティー

・ 負け癖パーソナリティー

・ 自己愛性パーソナリティー

今回の記事では、自己愛性パーソナリティー=ナルシストという意味で統一したいと思います。


ナルシストは正しい用語ではないですが、最も一般的に馴染みがあるということでタイトルになっています。

ナルシスト、自己愛性パーソナリティー(障害)、ナルシシズム、ナルシシストは、ほとんど同じ意味と考えて差し支えありません。

凄くどうでも良いですが、僕はナルシシズムという言葉に馴染みがあるので好きです(MTGというゲームのカード名)。

どういった性格のことを言うのか知っている人も多いと思いますが、我々のナルシストの認識を一致させるために、簡単に説明させていただきます。


ナルシストの特徴


・ 自己評価が高すぎる

・ 漠然と自分は特別な人間であると考えている

・ 一般人であることに耐えられない


人に誇れるものは何もないけど自己評価が高い、という人は中々いません。

勘違いした原因(きっかけ)があるのでしょう。


例えば

・ 話し方がしっかりしている

・ 身体が大きい

・ 顔のつくりが整っている

などです。

説明も終わったので、本題に入っていきます。


ナルシストとモチベーション(動機づけ)


やる気、モチベーションが湧く条件として、大体次のようなものがあります。


・ 目標について納得している

・ ゴールに近づくほどやる気が出る

・ 努力をすれば(頑張れば)達成できそう


ナルシストの特徴の1つとして、口ばかりで何故かあまり努力しないというのがあるのです。

その原因は、単純に自己評価が高すぎるからでしょう。

では、自己評価が高すぎるとモチベーションはどうなるか、見てみることにしましょう。


問題点1 いつも高すぎる目標を設定するので、何をしても面白くない


舞台は異世界なろう小説、そこに冒険者が1人いたとしましょう。

彼はナルシストであるとします。

彼はギルドで、次のうちどちらかの討伐クエストを受けます。


・ ゴブリン討伐クエスト

・ ドラゴン討伐クエスト

(自分が特別だと思っているナルシストは、ドラゴンを選ぶ可能性が高い)


彼が低レベルであった場合、ゴブリンは狩っても面白くなく、ドラゴンは狩れません。

彼が高レベルであった場合、当然ゴブリンは面白くなく、ドラゴンも面白くありません。

全パターン面白くないわけです。


ナルシストでさえなければ、自分の腕に見あった相手を狩り、充実感を得ていることでしょう。

ギルドの受付嬢も、討伐後に次のようなセリフを言ってくれるかもしれません。

……あなたは戻った。戦士の相貌(かお)で……あなたの髪はもはや短く、目許の三角は戦争の赤。
――「夜と昼の恋歌」

なろう小説の話は終わりにして、次は目標が達成できなかった場合について考えてみましょう。


問題点2 劣っていると思われる事に耐えられない


ナルシストは常に、「自分は優れた存在である」という考えを持っています。

なので物事を失敗した時は、「自分が劣っているからだ」と考える可能性が高いです。

これはプライミングという、記憶の残像現象みたいなもので、広告とかにも利用されています。

簡単に言えば、ガンダムという単語を聞いたり見たりしたら、機械やロボットといったものが思い浮かびやすくなるという現象です(優れているの反対は劣っている、なので思い浮かびやすい)。

「自分が劣っていると考えたり、人にそう思われるのは、何か問題あります?」と、一般の人は考えるでしょう。

しかし、ナルシストは次のような思考の流れになります。


1 ナルシストは人よりも優れていることがアイデンティティー

2 失敗して劣っていると思われるのはストレス

3 しかしナルシストは目標設定が高すぎるために失敗し続ける

4 目標は特別高くなくても失敗し続けるのが当たり前

5 身動きが取れなくなる


問題点3 永遠にアノミー状態


社会学では、欲求が際限なく大きくなって欲求が達成されなくなり、常に苦痛に苦しむことをアノミーといいます。

ナルシストは全ての物事の基準をあまりにも高く設定してしまうので、生理的欲求を除いた全ての欲求が満足できません。

物語に出てくる、永遠に飢えた吸血鬼みたいなイメージでしょうか?

慢性的な敗北感から来る怒りとでも言うのでしょうか、アノミー状態は人を死に至らしめると言われています。


要点のおさらい


1 自分の実力を高く見積もりすぎる

2 そのため、あまりにも高い目標設定をしてしまう

3 劣っていると思われるのが嫌で挑戦できなくなる

4 結果として永遠に欲求が解消されない


こうした状態が続くと、「面白くないなら、生きる意味はなんだ?」と、己に問いかけてしまうようになる仕組みです。

これを防ぐには、自己評価を穏やかで無理がないものにすれば良いのですが、自分を客観的に見るというのは難しい。

単純に居心地が悪いですからね。

居心地の悪さに慣れる必要があります。


僕自身ナルシストなのですが、最近はAnkiを使って、心の知能指数(EQ)を鍛えています。

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