北川 聖

詩人で小説家です。様々な心の状態が詩に反映されています。 心に沁み入る詩もあります。 …

北川 聖

詩人で小説家です。様々な心の状態が詩に反映されています。 心に沁み入る詩もあります。 よろしくお願いします。

最近の記事

恋は幻想ごっこ

恋は幻想ごっこ 相手を想うほど幻想が膨らんでいく 実像とは似ても似つかない相手の姿 それを実像と見誤る 虚像に自ら騙される愚かさよ だが騙されることが恋の本質 騙し騙され恋の炎が燃え上がる いつしか覚めた時、隣に眠る人が 誰だったのかと慄然とする この物体は何かと不審がっても後の祭り この詩は、恋愛の本質とその儚さを鋭く捉えた作品です。恋愛が持つ幻想的な側面を強調し、相手への思いが膨らむほどに現実とは異なるイメージが形成されることを描写しています。以下に講評を述べます。

    • 通りゃんせ

      通りゃんせ通りゃんせ 煉獄の門はここにある 善人も悪人も通りゃんせ ここで閻魔様の裁きを受ける 浄瑠璃鏡がお前の罪を映し出す 良い行いをした者は極楽浄土へ 悪い行いをした者は地獄の底へ 誰も浄土には行かさせぬ 一皮剥げば悪の素顔が露出する 善意の中に悪意はあるが 悪意の中に善意はない ChatGPT講評 この詩は、日本の伝統的な要素と現代のテーマを融合させ、善悪の曖昧さを深く探求しています。特に「通りゃんせ」という子供の遊び歌のフレーズを使い、読者を煉獄の門へと誘導する

      • イリュージョン

        人は無目的に生き、無目的に死ぬ 宇宙も無目的にあり、無目的に消える 生きることは何かのイリュージョンの中にいるようだ 人生という魔術にかけられているようだ 誰も魔術をかけた人を知らず、魔法にかかったまま 生きて死んでいく 人生はお伽話と変わらない、絵本の中と変わらない、 現実とは何だ この詩は、人間存在の虚無と人生の不可解さをテーマにしています。その深淵な問いかけと独特な表現が印象的です。以下は具体的な講評です。 内容とテーマ 無目的の存在: 詩の冒頭で、人生と宇

        • 原爆(人の業)

          この世で一番怖いのが人間 どんなに信じていても欺き どんなに愛していても裏切り どんなに殺したくても殺される 人間の頭に原爆を落としたのも人間 人の心の悪魔は今日も唸り声を上げる 食べるために殺し 遊ぶために殺し 飽きたために殺し 殺すために殺す 人間の業の浅ましさよ この詩は、人間の本質的な恐怖や業の浅ましさについて鋭く描写しています。以下に、詩の講評を示します。 講評 1. 人間の本質の描写 詩の冒頭から、人間の本質が鋭く描かれています。「どんなに信じていても欺き

        恋は幻想ごっこ

          母校の思い出

          私は母校へ行った 何もかもが懐かしかった 門の所にマリア像と天使像が新しく建立されていた A大を象徴する図書館の建物は記念館となっていた フランス文学科の40人ほどの同級生のうち男性が5人だけだった 最初の授業の後シュルレアリスム研究会に入らないかと誘われた 私は大学で挫折していた もし入っていたら人生が変わっていただろう 講評 この文章は、過去の思い出と現実の変化を対比させることで、感慨深い感情を呼び起こしています。特に以下の点が印象的です: 懐かしさと変化の対比:門

          母校の思い出

          死の跳躍

          死の跳躍を夢見ていた日 あれは若い頃の激しい衝動 この世で生きることの困難 その重圧に心は耐えられない 若い願望は全否定された 僅かな恋の期待も破れた 私はもう生きられない 屋上で最後の景色を見る 流れない涙が伝う 最後の一歩を待っている 私は目を閉じ踏み出す 地の底まで堕ちてゆく この詩は、生きることの苦しさと、絶望の果てに辿り着く決断を描いた非常に力強い作品です。以下に講評とそれに合う美しい映像の提案を記載します。 講評 テーマの深さ: 詩は生きることの苦しさと絶

          第一詩集「鱗粉」発売中

          北川 聖 第一詩集 人生で出会う生と死、夢、愛、祈り、孤独などについて美しい言葉で描かれる。真実の心の深淵が夢と現実のあわいで表現される。 深夜独り目を覚ます 宙を舞っているものがある それはかすかな翅音を震わせ 異様な影を映しながら 火のランプに

          第一詩集「鱗粉」発売中

          風の丘の少女

          少女は風の吹き抜ける丘にいた 長い髪を風になびかせ遠くを見ている 少年は別れの予感を感じ心が重くなる 少女は儚げな視線を彼に向けた 少女は彼に何かを言った でも風の唸りがかき消してしまう 「私、死ぬの」 でも彼には何も聞こえない その言葉は風になって消えていき 少女の姿はもうなかった この詩はとても繊細で心に響くものです。別れの予感と儚さが美しく描かれており、風が象徴的な役割を果たしています。以下に講評を記載します。 講評 この詩は風を通して儚い別れと悲しみを描いて

          風の丘の少女

          心のサングラス

          何をしても心が痛くなる 人の眼差しが声が素振りが いちいち気になって痛くなる だから僕は心のサングラスをしているんだ 何もかも曖昧にしたいから 世の中は眩しすぎる だから暗くなってくると落ち着くんだ 心が優しくなり詩も生まれる 僕は昼間と夜の自分を 使い分けている 心が壊れないために 講評 この詩は、心の痛みとその対処法について深い洞察を提供しています。特に、「心のサングラス」という表現は、感情を曖昧にしようとする試みを象徴的に描いており、非常に印象的です。また、昼と夜の

          心のサングラス

          異邦人

          時間が流れていく 私を置き去りにして 遠い過去から未来へと流れていく 私はそこにいない 外界は無関心な表情で通り過ぎる 私は誰にも見えない 私だけ異空間を生きている 手を伸ばしても虚空をつかむだけ 私は孤独な異邦人 永遠に過ぎ去る旅人 あなたと同じ時空を生きて抱き合いたい 講評 この詩は時間の流れの無情さとその中での孤独感を、美しい言葉で巧みに表現しています。以下に詳細な講評を記します。 1. テーマの選定 詩のテーマは時間の流れと孤独で、これらは普遍的で共感を呼ぶテ

          生とは燃え上がる炎

          感受性を研ぎ澄まし 想像の中であらゆる事を体験せよ 眠ろうとする心を叩き起こせ 我々は能力の数%しか使っていない 怠惰に打ち勝て 心はすぐに自分を冷笑する お前などどれほどのものかと嘲笑う 自分に打ち勝て 自分の最大の敵は自分 歪んだ鏡を叩き割れ 生とは燃え上がる炎 限りを尽くせ 講評 この詩は、自分自身との戦いと内なる成長をテーマにしており、感情の深さと人間の精神の強さが強調されています。詩全体が自己啓発のメッセージを含んでおり、読者に対して力強く励ます内容になってい

          生とは燃え上がる炎

          彷徨い

          二十歳の時 僕は彷徨いの最中にあった 未来は知れず困難な壁があった 夢は遠い彼方にあり叶う術もなかった だが夢を追って疾走する若さがあった まだ本は始まったばかり人生の序章だった それがいつか疲労と倦怠に襲われるとは 思いもしなかった いま目を伏せ溜息をつき 遠いあの日を思い出す この詩は若さのエネルギーと未来への不確かさをテーマにしています。二十歳の頃の夢や希望、そして現実の壁に直面する姿が鮮明に描かれています。詩の最後に、過去を振り返る現在の視点が加わり、懐かしさととも

          死の使者

          死の使者が来たんだね 分かっているさ 誰だって明日をもしれぬ命 目を逸らして生きている でも死が近づいたなら 目を凝らして見つめたい 生まれる時は泣くしかできなかった 死ぬ時はギリギリまで意識を保ちたい 私には自分の生が全てだった だから私の死は宇宙の死 この至福の時を味わいたい 講評 この詩は、死の使者の訪れを悟りながら、その瞬間に向き合おうとする主人公の内面を描いています。死というテーマに対して、恐れではなく冷静に向き合い、自分の生を全うしようとする決意が感じられます

          誰もが苦しんでいる

          誰もが苦しんでいる 北川 聖 心に秘密を抱えて 今にもバランスを崩して 奈落の底へ落ちそうな 刃の切っ先を歩いている 明るい外見の下に憂いを隠して 弾けるような笑みの下に絶望を 僕の死を誰もが分からないと言うだろう 人柄の良い優しい人だったと言うだろう 僕はほんの少し向こう側へ傾いただけ… 講評 この詩は、多くの人々が直面する内面の葛藤と隠された絶望を力強く捉えています。陽気な外観と騒々しい内部の並置は、痛烈で刺激的です。ギリギリのところを歩くイメージと

          誰もが苦しんでいる

          イリュージョン

          人は無目的に生き、無目的に死ぬ 宇宙も無目的にあり、無目的に消える 生きることは何かのイリュージョンの中にいるようだ 人生という魔術にかけられているようだ 誰も魔術をかけた人を知らず、 魔法にかかったまま 生きて死んでいく 人生はお伽話と変わらない、 絵本の中と変わらない、 現実とは何だ 講評 この詩は、人生の無目的さと宇宙の無目的さについて深く考察しています。冒頭の「人は無目的に生き、無目的に死ぬ」「宇宙も無目的にあり、無目的に消える」という一節は、存在の根本的

          イリュージョン

          時は癒し、死は清算

          時が過ぎればどんなに嫌な感情も和らいでいく 最後まで残ったしつこい感情も死と共に消える 時は癒し、死は精算 死が全てを解決してくれる 執拗な怨念も死の炎が灰にしてくれる 執念深い生への執着も灰となって舞う 生の悩みはたかだか80年くらいで終わる 慌てずとも死の方からやってくる この詩は、時間の流れと死の力による感情の浄化をテーマにしています。以下に講評を記します。 講評 この詩は、時間と死の両方が持つ癒しの力について深く考察しています。冒頭の「時が過ぎればどんなに嫌

          時は癒し、死は清算