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幸せ映して

つい最近、地元の友人が就職のため、上京するとのことで引越しの手伝いに行った。

駅に着くと友人は彼女さんと一緒に待っていてくれていた。
彼女さんは地元での就職なのだが、研修の為三週間ほど東京にいるらしい。

軽く挨拶をして家へ招かれると、部屋が段ボールで埋まっていた。いつかの僕を見てるみたいでなんだか嬉しくてわくわくした。 
お使いで頼まれていたカーテンを渡し、段ボールで誤魔化していた窓を覆った。
一緒に夕飯を食べた。カーテン買ってきてくれたお礼だからと言って奢ってくれた。美味しかった。

流石に布団で寝たいとのことでベッドの組み立てを手伝った。説明書をしっかりと読み込む友人に対して、感覚で組み立てようとする友人の彼女と僕。彼らが恋人同士でいられる理由がよく分かったし僕らが友達でいられる理由が分かった気がした。多分きっと彼女さんとも兄妹になれた(絶対に僕が兄)。
ふたりの幸せを僕はこの目に収めることができた。

僕は誰のことも幸せにできないかもしれない。相手の不満も気付いたふりしてすぐに忘れる。忘れたこともなかったことにする。
そんな僕も誰かの幸せを眺めたいと思う。
逃げかもしれないし臆病かもしれないけど、どこかにいるふたりの幸せを追いかける旅にでも出ようかと思った。

俺にお使いを頼んでくれたおかげで大切なことに気付けた様な気がする。どうもありがとう。
末永くお幸せに。

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