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2022年9月

454.ソフトマシーン (ウィリアム・バロウズ/河出文庫)

The Velvet Undergroundらロックに多大な影響を与えたビート文学からは『ソフトマシーン』を紹介

文章を切り刻み並べ替えるカットアップ手法で書かれたフランケンな文体は、控えめに言って意味不明w  薬物中毒でバイなバロウズ元来の下品さも相乗して、もはや読むPTSD!

厄介だが高2心をくすぐるのだ〜


455.パンダのうんこはいい匂い (藤岡みなみ/左右社)

『パンダのうんこはいい匂い』、タイトル以外変な本じゃないのだが面白過ぎたので紹介させてのだ〜

洗面台にフナが泳ぎ、青森でキリストラーメンを食べる。土偶に衝撃を受け、卵からヒヨコを孵す藤岡みなみさんの生活異文化エッセイ

センス大爆発の文章と、人の想いに真摯な文化人類学の眼差し。万人におすすめできるプラチナ本!


456.いずれすべては海の中に (サラ・ピンスカー/竹書房文庫)

『いずれすべては海の中に』最先端にして最高のSF短編集だったのだ

右腕の意識が高速道路に繋がった男(としか説明しようがないw)、鯨を運転してアメリカ横断、並行世界の作者が一堂に介するなか起きた殺人事件……

奇想と喪失感をブレンドした静謐な余韻はJ・G・バラードにも通じそう。憎たらしいほど巧い!


457.仙厓BEST100 ARTBOX (出光美術館・編/講談社)

仕事後はゆるふわ禅画こと仙厓義梵の筆に触れて和むのだ

江戸時代の禅僧ながら、「きゃふんと鳴く犬」をはじめ、時代性を超越しまくった脱力感で定期的にブームを起こす愛され和尚

『仙厓BEST100 ART BOX』がおすすめ。コアな音楽ファン的は異形の引き算ハードコアバンド・54-71のジャケ絵のあれ!


458.東京日記 (リチャード・ブローティガン/平凡社ライブラリー)

物寂しい秋の夜には『東京日記』をおすすめしたいのだ

ビート文学を代表するもピストル自殺したブローティガンが、東京で過ごした日々を綴った晩年の詩集

短文ながら寂しさとおかしさが結晶したぼやきの数々は、しんと静かな場所へ連れて行ってくれるチルな読書体験。超読み易くて超良い本なのだ〜!


459.こいにねがいし: LOVE,WISH,DEATH (荒川工/moon in june ※電子書籍)

ゼロ年代にカルト人気を博したライター・荒川工の超短編集『こいにねがいし』が電子書籍刊行したのだ

恋と、願いと、死にまつわる100の超短編は、ホラーと恋愛要素多めの絶品揃い。どこか少女マンガ的でリリカルな切なさが宿る行間を凝視めてほしいのだ!

隙間時間で読めてお値段100円なのでぜひ〜


460.サラゴサ手稿 (ヤン・ポトツキ/岩波文庫)

奇書界最大の事件『サラゴサ手稿』完訳版が岩波文庫で刊行開始なのだ!

人肉喰いのジプシーが徘徊すると囁かれる荒涼たる山中で、盗賊、密輸入者、悪魔つきらを巡り語られる61日間の千夜一夜物語

入れ子と脱線を繰り返す物語構造は『琥珀獲り』や『黄金時代』好きも!散逸原稿が見つかってついに叶った奇跡の出版なのだ~

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