見出し画像

日記 残暑の風と共に行こうぜ


最近、人生が楽しい。けたけた笑ってる日が多い気がする。



9/17(日)


高校時代の友達4人と大阪旅行をした。全員揃って遊べたのは約4年ぶりだった。この旅行でそれぞれ別々で遊んだ時には感じなかった〝特有のグルーヴ感〟を感じることが出来た。「自分たらしめるものの多くはこのコミュニティから生まれたんだな」と改めて実感出来るような旅行になったと思う。 

この旅はほぼノープランだった。だから最初はなんとなく道頓堀に行ってなんとなくグリコの看板を見てなんとなく串カツを食べた。その「なんとなく感」がかなり心地よかった。ストイックに予定を決めなかったおかげで“会話”の部分に軸足が置かれた。自分は観光をしに来たのではなくてみんなとお喋りをしに来たつもりだったからかなり満たされた。

ご飯を食べ終わると次は古着屋を巡った。自分以外の4人が服に興味があるため、それぞれと集まる時もよく古着屋に行く。古着屋に行く回数を重ねるうちに「相手を上機嫌にさせてできるだけいっぱい服を買わせる」という別の楽しみ方を編み出した。今回の大阪旅行ではそんなに大きな買い物をして貰えなかったからちょっと悔しい。

夕方からもう1人京都に住んでいる友達が合流してそのあとはみんなでスイーツを食べたり喫茶店に行ったりした。その喫茶店が“レトロ喫茶”ではなく普通に“古い喫茶店”だったのがすごい良かった。15歳で知り合った友達が目の前でタバコを吸っていたけれど、中身はあの頃と何も変わってなくて安心した。

毎回旅行でパンケーキ食べてる気がする


1日通してずっとどうにもならないようなふざけた話をしていた。大学4年生の夏休みなのに「就職」というワードは出なかった気がする。社会人0年目、学生気分を抜かなければいけないこの時期にあの頃の気持ちをたっぷりと思い出せて幸せだった。

高校談義に花を咲かせているとすぐ夜になった。地元から来た自分以外の3人は地元へ帰り、自分は次の日にも予定があったから大阪に残った。ホテルに着くとすぐに寝てしまった。ここ最近ずっと寝つきが悪かったのにそれが嘘だったかのように眠ることが出来た。そのことが「今日1日が充実した日だった」と証明されたようで嬉しかった。


◇◇◇


9/18(月)


朝早く起きてすぐに準備を行う。寝つきが悪いのとは対照的に目覚めが良いのは自分の体のラッキーポイントだと思う。

ホテルをチェックアウトし、梅田駅で昨日遊んだ京都の友達と合流した。そして「伊丹グリーンジャム」という兵庫県伊丹市で開催されたローカルフェスに参加した。透き通るような青空の下に広がる会場には心地よい風が吹いていた。サマソニしかり福岡旅行しかり今年の夏はずっと天気に恵まれている。

1日の中で最も暑くなるタイミングでbetcover!!のライブを見た。betcover!!は以前ライブに足を運んだことがあったため、彼らの“制御不能性”のようなものはある程度理解しているつもりだった。しかしそれ以上に衝撃を受けた。“凶暴な切なさ”を今の音楽シーンで表現出来るアーティストはbetcover!!の他に居ないのではないかと思う。前回観たライブでは会場の狭さが彼らの世界観と調和していたが、今回は肌に照射する太陽の熱が彼らの音楽の魅力を増幅させているように感じた。

そして次に小山田壮平のライブを見た。彼のライブを観れたのは今回が初めてだった。「自分の心を救ってくれる詩を書くアーティストは?」という質問があるとすれば自分は真っ先に小山田壮平の名を挙げると思う。そして「1番声のいいアーティストは?」という質問にも彼の名前を挙げるはずだ。
つまり、大好きな詩を大好きな声で青空のもと歌ってくれた。間違いなく最高の時間だった。「大丈夫ですよ 心配ないですよ」と彼が歌うのならこの先本当に大丈夫だと思えたし、10000回叫んだって届かない思いも10000日経ったあとできっと誰かの心に風を吹かせるんだと信じることが出来た。(『革命』のリリースから10年後、その曲によって心に風が吹いた1人の地方大学生がここに居るように)

 

この2組のライブに自分も友達も心が動きすぎたため、そのあとはフリーマーケットの散策でゆっくり時間を過ごした。そこでうっかりぬいぐるみを買ってしまった。一目惚れだった。

グリーンジャムで買ったので「ジャムくん」

最近、手に物が残ることのありがたみをすごく感じる。過去を振り返る時間が無いほど加速している今の時代、手元になにかがあればそれをきっかけに当時の出来事を思い出すことが出来る。ジャムくんは自分にとって今日1日を思い出すきっかけになってくれる大切なぬいぐるみになった。


会場を後にして友達と昨日に続き“古い喫茶店”へ行った。昨日とは別の喫茶店だ。第2の自分'sラッキーポイント「おばあちゃんに好かれやすい」を発揮してランチタイム限定のナポリタンを夕方に提供していただいた。The関西のおばあちゃんという感じの人とちゃんと会話したのは今回が初めてだったかもしれない。1話したら10で返してくれるし真っ直ぐ沢山褒めてくれたおかげであっさりいい気分になった。いいライブを観た後に人の温かさに触れて優しい気持ちになれた。伊丹市、いい街だ。


ライブでかいた汗が喫茶店で冷えて寒くなったため次は銭湯に向かった。これも地元に根付いたローカルフェスならではの贅沢な時間の使い方だ。日中にしては人が多かった。銭湯はフェスの会場から近かったからみんな自分たちと同じことを考えてここに集まっているのかもしれない。お風呂から出てフロントのベンチでコーヒー牛乳を飲んでいると家族連れの小さい娘さんから話しかけられて癒された。また人の温かさに触れた。

そうこうしているうちにいい時間になったため梅田へ戻り、友達とのお別れの時間まで駅近くの本屋で時間を潰した。同じアーティストを好んで同じタイミングで休憩したがり本屋にも一緒に行けるような友達が高校の同級生で居たということがかなりの奇跡的なことだと思う。本屋では欲しかった漫画を一冊買った。

お別れの時間になった。自分は最後に別の人と会う予定があったから友達を改札まで見届けた。「また一緒にライブ行こう」と言ってくれた後にLINEでももう一度言ってくれて素直に嬉しかった。

その友達を見送ったあと、おつかい(雷獣というYouTuberのイベントステッカー)を頼まれていた友達と少しだけ会った。相手の仕事が忙しいためステッカーを渡せばすぐ解散だと思っていたら「少しだけ話したい」と言ってくれて1時間ほどカフェで話をした。その人と会うのは約3年振りだったけれど、そんなブランクも感じることなく楽しく話すことが出来た。お仕事頑張ってる代としてステッカーはそのままあげた。

帰りの時間が迫ってきたため、最後にお土産屋さんだけ着いてきてもらって解散することにした。友達が「これ美味しいよ〜」とオススメしてくれたマダムシンコのブリュレを家用に買って、京都の友達が前日にオススメしてくれた京都のスイートポテトを地元の友達用に買った。この時は何も思っていなかったけど、大阪旅行なのに京都のスイーツを買ってしまった。多分色々楽しくてハイになっていたんだと思う。


最後の友達ともお別れの時間が来た。別れ際でその友達から花ラング(ラングドシャ)を貰った。どうやらさっきのお土産屋さんで買ってくれていたらしい。最後の最後でもう一度人の優しさに触れた。


◇◇◇


何も積み重ねていない人生だと思っていた。けれどこの2日間は過去の自分がいないと起こりえなかったことを山ほど体験した。人の優しさにもいっぱい触れた。
生活はこれから先も続いていく。この日みたいな幸せな時間がまた訪れると信じて生きていきたい。ね。



この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,603件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?