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弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第8話 親を巻き込む戦略

時は昨年5月、4月はコロナ大流行により諸活動停止のため、新1年生はやっと担当楽器が決まり、初めて音を出し始めた。
動画撮影で学校へ見学しに行ったのはそんなタイミングだった。

フルート、クラリネット2、サックス2、トランペット2、トロンボーン2、ホルン、パーカッション、ユーフォニアム
新1年生が担当する楽器はこのように決まった。
娘にも初めて後輩ができた。
特にクラリネットは2人の1年生が入ってきて、娘からすればかわいい後輩で興奮していた。

毎日家に帰ってきては、『今日は音が出た!』とか、『明日からキラキラ星を吹く!』なんて喜んで私に話してくる笑

学校へ行き撮影を始めると、子供達は騒ぎ始めます。『ヤバい、撮られている!』しかも音が出るか出ないかのレベルで撮影されてしまうわけです。
ごめんね、将来大人になったら宝物になるような貴重な動画を撮るからね!
子供達はめちゃくちゃ緊張しながらも、無事に撮影を終えました。
撮影後、先生や保護者会長さんと話し合い、1年生だけのソロコンサートを開催することが決まります。
ねらいは3つありました。

⭐️1年生の保護者を呼び、我が子の演奏を見てもらう機会を作る。部活動に積極的に関わってもらうキッカケを作る

⭐️子供達には人前で演奏するための度胸をつけてもらう。上達スピードを上げる。

⭐️コンサートの様子を撮影し、卒業時に記念DVDとして配布する

だんだんと私の役割が動画撮影に特化してきている。間違いない。睡眠時間が削られる・・

1年生のソロコンサートの準備を進める中、娘から残念な知らせを聞くことになります。

『ホルンとトランペットの子、2人辞めるんだって』

どうやら希望する楽器の担当になれなかったのをキッカケに、気持ちが落ち込んでしまったとのこと。そんなこと日常茶飯事だし、なんか変だな・・と思った。
その子の親が担当楽器が決まる前に勇足で希望楽器を購入、子供に与えていたことを後から知った。
そんな中でソロコンサートの話が出てきて、『やってられん』となったのかもしれない。

ん〜、親の気持ちを分からないわけではないし、子供の気持ちも分からないわけではない。
しかし吹奏楽は組織で動いている。個人のわがままで編成がいびつになったり、また露骨にモチベーションの低い子供を扱いながら全体をまとめていくのは難しい。
1年生が入部して1ヶ月、2人が脱落し、総勢28人でコンクールを戦っていくことが決まった。

6月上旬、1年生は根性でソロコンサートを乗り切った。以前見た姿からは別人のように堂々としていた。演奏レベルは・・、演奏歴1ヶ月なので求めるにも無理があった。
ここが出発点。伸び代しかない1年生の成長を楽しみにしながら、コンサート会場を後にしました。

コロナ蔓延、新1年生絡みの問題など、年度はじめから色々あったけど、同時並行して娘のマイ楽器購入の話も進んでいた。

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