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日本蜜蜂と西洋蜜蜂のちがい

僕が養蜂をやっていますというと、相手は蜂蜜の話しをします。その話しをよく聞いてみると、日本ミツバチと西洋ミツバチのことがごちゃ混ぜになっています。養蜂をしている身としては、ミツバチ豆知識を披露します。


西洋ミツバチは、日本ミツバチより少しでかい。

見た目の違いとしては、日本ミツバチは少し黒いです。見慣れてくると違いが分かりますが、見慣れていないと同じ昆虫に見えるはずです。
日本ミツバチの嬢王蜂は真っ黒けっけです。西洋ミツバチは黒と黄色のミツバチカラーをしています。少し朱色っぽい感じも入っています。

刺されると西洋ミツバチの方が痛い。

痛み以外にも、日本ミツバチの方が大人しくて刺して来ない傾向があります。東北の日本ミツバチは、東京のスズメバチよりも気が粗いと言われたり、言われなかったり。寒い地域のミツバチは、温かい地域のミツバチよりも気が粗い傾向はあります。
趣味養蜂に人気の日本ミツバチですが、穏やかな気質がひとつ人気の要因だろうと思っています。

日本ミツバチをどこで捕まえてくるのか。

分蜂時期には巣箱を置いておくと勝手に入ることがあります。多くの趣味養蜂家はこの手法で捕まえようとします。ミツバチに人気の場所が必ずありますので、人気の場所であれば捕まえやすいです。
僕たちは駆除もあるので、駆除で生け捕りにして箱に入れて育てています。

採蜜能力は西洋ミツバチは日本ミツバチの20倍。

沢山蜜を集めるので、養蜂は西洋ミツバチを使います。日本ミツバチはすぐ引っ越しをする習性がある等デメリットもあり、西洋ミツバチは家畜なんだなと思います。

さくら蜜とか、りんご蜜とか。

近くに沢山その花が咲いていたとか、時期的にその花の時期だとか、全ての花の名前のある蜜は希望的観測であることは間違いありません。
ミツバチは習性で箱単位でその日集める蜜を統一します。そして沢山集められる蜜を選択します。この理由から、あの花の蜜ですと記載をするわけです。西洋ミツバチは採蜜能力に優れているので、時期で蜜を絞れますからあの花の蜜をつくれます。日本ミツバチは大抵年に一度の採蜜で、百花蜜としてされています。

日本ミツバチの蜂蜜は希少なので高いです。

沢山蜂蜜がとれない、育てにくいという理由で日本ミツバチの蜂蜜には希少性があります。1瓶数万円という蜜もあります。値段分美味しいということはありません。
日本ミツバチは古来から日本にある花が好きです。樹液も舐めます。その蜜には、どことなく樹の実っぽい風味が漂いです。それとよく発酵します。発酵すると泡が出ますが、香りの成分は空気に触れると香りを出すので、やたらフルーティーな香りがします。これは発酵の特徴で、蜂の種類による蜜の特徴とは異なるものだと考えています。
ちなみに、西洋ミツバチの蜜も発酵するとフルーティーになります。

日本ミツバチの天然ものは一度絶滅しました。

自然の日本ミツバチは絶滅したと言われています。いまいる日本ミツバチは趣味等で育てていた養蜂家のところから、分蜂で逃げ出したものが増えたとされています。

蜂球(ほうきゅう)は日本ミツバチしかしません。

オオスズメバチの攻撃に日本ミツバチは敵の体を多くの仲間で包み込み球状となります。中心にいる敵は熱に弱く、敵より熱に強い日本ミツバチは、この耐えられる温度の違いを使って敵を撃退します。
といっても、1匹〜3匹くらいはまだしも、それ以上の数だとどうしようもありません。
日本ミツバチは攻撃があると一斉に巣の奥へ集まり、中に呼び込んでから攻撃をします。西洋ミツバチは一列に並んで一対一で戦います。西洋ミツバチはオオスズメバチにやたら殺されます。

オオスズメバチはミツバチの天敵です。

普通のスズメバチ(多くは、コガタ、キイロ、モンあたり)は一匹ずつミツバチを捕まえて巣に持って帰ります。このとき、巣から出るミツバチではなく、巣に帰ってきたミツバチを狙います。その方が甘いのを知っているのでしょうか。オオスズメバチは意味もなく巣を全滅させます。習性ということでしょうが、オオスズメバチに用心をするのは全滅を避けるためです。

日本ミツバチはどこにでもいます。

表参道でも巣をつくりますし、青山でも赤坂でも巣をつくります。どこにでもいます。(皇居と明治神宮、代々木公園が原因かもしれませんが)中野区でも杉並区でもいます。捕まえてベランダに置いておくと、秋になるとオオスズメバチがやってきます。ちなみに東京で捕まえるオオスズメバチはとても小さいです。

日本ミツバチはスムシ、西洋ミツバチはダニが天敵。

都内で日本ミツバチを飼育してみて、アカリンダニの被害はありませんでした。他のミツバチと出会うチャンスも少ないので外からの持ち込みが、田舎よりも少ないのかもしれません。スムシはいます。スムシには要注意です。
西洋ミツバチはダニが天敵で、農薬をつかい駆除をみなさんしています。このダニを日本ミツバチはで追い払います。東洋ミツバチにとっては天敵とまで言えないダニが、持ってこられた西洋ミツバチにとっては天敵となったという説もありました。
このダニの問題で、日本ミツバチがメンテフリーなのに対して、西洋ミツバチはダニメンテが必要であり、趣味で育てる場合はメンテフリーな部分が好まれているのだろうと思います。

日本ミツバチは環境が気に入らないと引っ越す。

引越し先がある場合において引っ越しますが、都内だと引っ越す可能性が低くなると考えています。引っ越された場合は、自然豊かな場所がそばにあったのだろうと思います。埼玉はすぐ引っ越しました。


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