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憧れの女性と過ごした1ヵ月の旅

今から19年前、高校1年生で経験した1ヵ月の旅の出会いが
34歳になっても色褪せない。大切な女性のはなし

高校1年生の1月研修旅行でアメリカへ1ヵ月滞在するというプランに申し込み、添乗員が彼女でした。
おそらく当時40歳くらい、身長は170cm近く、オールブラックのスタイルに1本の乱れもないオールバック、大きな目が特徴的ないかにも「デキる女」
ギラっとした見た目とは裏腹に気さくな人柄とやさしめの広島弁、海外のボディクリームの香りがする女性です。

初の海外旅行に右往左往する私達にとって彼女はスーパーウーマンでした。
現地の空港でトラブルが発生したときに素早い対応をするだけにとどまらずいつもちょっとだけかっこいいのが彼女の素敵なところ。

たった5分程度のやりとりで空港職員が完全に彼女のファンになっていることが分かるのです。結果優遇してもらって、どの職員も「あなたにそう言われちゃしょうがないわね」的な顔になってみんなハッピーエンド。
他メンバーがホストファミリーとトラブルになった際も
夜中にすっぴんパジャマのままで飛んでいって、みんなを幸せにして帰るような人です。

彼女ほど仕事を楽しそうに、軽やかにこなして
取り繕わずその人間性のままに振る舞う大人を初めてみました。
でもそれは確かな知識と豊富な経験、とんでもない根性があるからこそだという事も日々の1つ1つから伝わっていました。
とにかくかっこよかった。

単純な私はツアーコンダクターが夢になり、英語の猛勉強が始まりました。
その他にもポルトガル語、フランス語も独学で学び
学んでいる時間が1ミリずつ彼女に近づけているようで幸せだったのを思い出します。きっとあの瞬間恋をしていたのかもしれません。

家庭の事情で留学の道が絶たれ
今はまったくちがう仕事をしていますが
今もあこがれの人は?と聞かれると真っ先に彼女の顔が思い浮かびます。
そして今の仕事への姿勢も当時憧れた彼女のスタイルそのものかもしれません。

あの当時からもう少しで20年、一度もお会いしていませんが
きっとかっこいい60代に違いない。
会いたいような、恥ずかしいような、いやでもやっぱり会いたいな。



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