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投資の講義

最近友人と会うとやたらと投資の話になります。熱い議論になることも多いですが、話している中でかなり自分の中で投資に対する考え方がクリアになってきたので、ここで講義という形でまとめます。

投資とは

そもそも、投資の意味をご存じでしょうか。世間一般で投資と聞くと株やFX、仮想通貨といった、お金を使ってお金を増やす金融商品のことを指すことが多いように思います。ですが、それはあくまで投資の一部にすぎません。

投資の本当の意味は「将来のためにお金と労力を使うこと」です。
これは、投資はお金を増やすことだけに限定しないということです。将来をより良いものにするために、今時間やお金を使うこと。これが投資の本質です。

例えば、将来の給料アップや転職のために資格の勉強をすることも投資。
将来の健康のために運動したり食事に気を遣ったり検診に行くことも投資。
noteやブログを使って自分の情報を発信して知名度や信頼度を上げたり、副業をすることも投資と言えるでしょう。今手元にあるお金を使って、将来のお金を増やす役割を持つ金融商品は、実は投資の中のごく一部です。

投資の種類

では投資にはどのような種類があるでしょうか。私も全てを把握しているわけではありませんが、把握している範囲でメジャーなものをいくつか上げておきます。一言に投資と言っても色んな種類があることを知っておきましょう。

自己投資

自分の健康や自分のスキルアップのためにお金と時間を使うこと。
本を読むこと、セミナーに行くこと、資格勉強すること、といった、何かを学ぶ行為は全て自己投資と言えます。人間関係を広げる活動をするのも投資と言えるかもしれません。

株式投資

株を購入して、配当金を得たり株の売買によって利益を得る投資。
株式投資の中に、投資信託と呼ばれる種類の商品もあります。

FX投資

外国為替の取引によって利益を得る投資。

仮想通貨

仮想通貨の取引によって利益を得る投資。

不動産投資

不動産を購入し、その賃貸によって利益を得る投資。

他にも金融商品という分類での投資はたくさんありますが、ここでは割愛します。

投資はやるべき?

そもそも投資は誰もがやるべきことなのでしょうか。
先ほども説明した通り、投資とは将来のためにお金と時間を使うことです。つまり、将来に対して不安がなく、それでいて今を楽しく過ごせているのであれば、投資をする意味はないでしょう。しかし、将来に対して不安を抱えているのであれば、何かしらの投資をした方が良いことになります。

何の投資をするべきか

将来に対して全く不安を抱えていない人はおそらく少数でしょう。
多くの人は何かしらの投資をした方が良いことになるかと思います。
とはいっても、先にも上げたように投資にも色々と種類があります。
何の投資をするのが良いのでしょうか。

レバレッジという言葉をご存じでしょうか。「てこ」という意味ですが、投資の世界では少額の投資で大きなリターンを得ることをレバレッジ効果と言います。ここではお金に限らず、少ないコスト(時間 + お金)で、得られる効果が大きい投資のことをレバレッジ効果の高い投資と呼ぶことにします。どの投資をすればいいかの答えは、「レバレッジ効果の高い投資」になります。

では、レバレッジ効果の高い投資とは何でしょうか。
これは正直なところ誰にも分かりません。未来のことは誰にも分からない。これさえやっておけば絶対に将来安泰、というものが分かれば誰も苦労はしません。環境やその人の価値観によって異なるというのが無難な答えです。ただ、自分自身の今までの経験や、様々な人からの話を聞いて思うのは結局のところ自己投資が最もレバレッジ効果の高い投資だと感じます。

レバレッジ効果の高い自己投資

健康への投資

自己投資と言っても、その中でもやれることは多くあります。
自己投資の中で最もレバレッジ効果の高いのはいったい何なのでしょうか。私がまず第一に重要だと思うのは、健康への投資です。
将来身体を壊しても生活していけるように、貯金をしたり保険に入るという選択肢もあります。それは悪いことではありませんが、結局のところ身体を壊すことなく長く健康でいられる方が、仕事も長く続けられて金銭的にも有利ですし、自分の好きなことができて幸福度も上がります。また、うつ病のように一度は発症すると再発しやすい病気やケガもあります。一度発症した後に再発しやすい病気やけがは、貯金や保険がいくら充実していても、生活や仕事に支障が出てしまうこともあります。そうならないためにも、早い段階で健康に投資(予防)して、長期的に健康でいられるようにするのが生きていく上で最もレバレッジ効果の高い投資のように思います。健康への投資は例えば

  • 定期的に運動をする

  • 食事に気を付ける(暴飲暴食しない、身体にいいものを食べる、など)

  • 毎日十分な睡眠をとる

  • 定期的に検診に行く

  • マッサージなど、体をメンテナンスする時間を作る

などなど。健康にも様々な「説」があって、特に食事においては人によって言っていることがバラバラで絶対的な正解がないのも事実ですが、正しい知識を勉強しながら健康に投資することがまずは一番大事な自己投資であると思います。

スキルアップへの投資

健康は大事ですが、それだけで幸せな人生を送れるわけではないですね。充実した人生を送るには、自己実現をするためのお金を稼ぐ力も大事です。ただ、自己実現や稼ぐ力をつけるために何に投資をするべきかはすごく難しい問題。正直なところ、何をするのがベストなのかはその人の過ごしている環境や価値観によって大きく異なるでしょう。自分自身で自分の将来を考え、何に投資すべきかを自分で判断して行動に移すことが重要だと思います。

個人的には、まず仕事で本業にしていることに投資(勉強)をして、金融商品に頼らなくても十分稼げるくらいのスキルアップを目指すのが良い自己投資だと思っています。

私自身はIT業界で約10年ほど働いています。その間に2回ほど転職をしてきました。業務以外の時間でもビジネス書や技術書などをそれなりに読んで勉強してきました。まだまだ未熟な部分もたくさんあって、これからも勉強し続ける必要がありますが、これまでにもスキルアップにはそれなりに時間とお金を使って投資をしてきたつもりです。そのおかげもあってか、転職は2回とも転職先の社長から声をかけていただき、自分から転職活動をせずに転職に成功しています。給料はまだまだずば抜けて高いとは言えませんが、今の自分が満足できる程度には頂けるようになっていて、今後もスキルアップして成果を出すことで順調に収入アップができそうな環境でもあります。運やタイミングもあるかとは思いますが、スキルに対して自己投資をしていてよかったなと強く思います。そういう体験があることからも、結局のところ自己投資することが最もレバレッジ効果が高いのではないかと感じています。

ただ、IT業界はこれからもまだまだ成長が見込まれる成長産業で、かつ成果主義の企業も多いので、自己投資によるリターンが得られやすい業界です。そういう意味では私は恵まれた環境で働いていて、スキルアップにより自分のやりたいことができるようになったり、給料のアップや副業による収入アップがしやすい業種であることは確かです。

業界によっては、どれだけスキルアップを頑張っても、なかなか収入アップにつながらない職業もあります。
これは美容師の方から聞いた話ですが、1000円カットの単価が安いお店は、どれだけお店の回転率を上げようと、1人当たりの単価が決まっているため、1日の売り上げの上限を上げることは難しいそうです。そのため、従業員はどれだけ頑張っても給料はなかなか上がっていかないそうです。話を聞いて「なるほどなー」と思いました。このように、売り上げの上限がある程度きまってしまう業種については、スキルアップに自己投資しても、それが直接収入アップにはつながりにくい場合も少ないかもしれません。「転職の思考法」という本の中では、ウエディング業界も収入が上がりにくい業界だという話が書かれていた記憶があります。

とはいえ、どんな業種でもスキルが高いにこしたことはありません。スキルが直接収入アップにつながらなかったとしても、スキルが評価されることで会社の中で地位が上がり、収入アップにつながることもあります。今の時代はインターネット・SNSを使うことで自分のスキルを副収入につなげることもしやすくなりました。また、スキルが会社から評価されれば、会社に対して自分の意見を言いやすくなりますし、同じ業界でより良い環境への転職もしやすくなりまし、転職したいと話すことで今の職場で給与がアップする可能性もあります。スキルがなければ、転職を選ぶこともできず、会社にいいように使われながら低い収入のまま過ごしていかざるを得なくなるかもしれません。なので、どんな業種であれ、自己実現のためにスキルアップに自己投資することは無駄にはならないのではないかと思います。

その業界でどうしても収入アップが望めない場合、違う業界への転職や、副業することを考えるのも良いかと思います。今いる業界で頑張るにしても、違う業界に転職するにしても、いずれにせよ将来性を感じつつ、自分がやりがいを感じそうな分野でのスキルアップに自己投資をすることが大事ではないかと思います。

レバレッジ勉強法

「レバレッジ勉強法」という、「レバレッジ」を意識した勉強法の本があります。その本によれば、学習することで継続的にリターンが得られる分野は
「語学」「金融知識」「IT」の3つだそうです。
確かに、この3つの分野に長けている人は業種で働いていたとしても重宝される人材になると思います。転職にも有利に働くだろうし、副業にも活かしやすい分野です。将来のために何か勉強をしたいけれど、何を勉強したらいいのかわからない、という人は、この3つの分野から自分が興味を持っている分野を勉強してみるのも良いかもしれません。

金融商品の投資はやるべきか

株式投資やFX投資といった金融商品に対しての投資はやるべきなのでしょうか。個人的には、仕事によって十分な収入を得られているのであれば、特別金融商品による投資をやる必要はないと思っています。とはいえ、収入格差が広がる一方の日本。会社の給料だけでは生活が厳しいと思う人も少なくないと思います。収入をアップさせる選択肢の1つとして、金融商品による投資を選ぶのは全然アリだと思います。

ただ、1つ思うのは、金融商品の投資を行う場合、それが一体どういう仕組みで成り立っているのかをある程度勉強することが、投資をする上での大事なマナーではないかと思います。

これは私の個人的な価値観ですが、お金は誰かに対してプラスの影響を与えたときの対価としてもらえるものだと思っています。金融商品に投資して利益を得ることは何の問題もありませんが、その金融商品に投資することで誰にどんな影響を与えているのかを知ったうえで投資することが投資における1つのマナーなのかなとも思います。世の中には簡単に儲かることをうたいながらも、実際にはねずみ講や詐欺に近い怪しい投資も存在します。そのような投資に引っかかって、自分自身が損をしたり、自分のせいで他人が損する結果になっては面白くないでしょう。そんなことにならないためにも、投資をするならある程度仕組みを知ったうえで行うことは大事だと思います。

金融商品については、本人は何も考えずに、人に勧められたものを流れで始めてしまう人も多いです。(私も危うくそうなりそうでした。)でも、人に勧められて始めた投資が、蓋を開けてみると実態の分からない怪しい投資である場合もあります。人から勧められたことをきっかけにして投資を始めるのは何の問題もないと思いますが、最終的には自分自身で正しい知識を勉強してどこまで続けるのかを判断することが大事だと思います。

金融商品への投資をする上での心得

ここからは、投資別に、実際にやる上での心得を私の知っている範囲でお話しします。

不動産投資

不動産投資は、マンションなどの不動産を購入し、その不動産を賃貸に出すことで家賃収入を得る投資です。不動産投資は、以前東京に住んでいたときに街中で声を掛けられて話を聞かされたことがあります。その話を聞いた上での私の結論は、「不動産投資は宝くじが当たった時にやるもの」です。
それ以外でやる意義はないと思っています。

不動産投資は、一般的には銀行からお金を借り入れ、借りたお金でローンを組んでマンションを購入します。そして、そのマンションの家賃収入でローンを返済するという仕組みです。ローンがある間は利益は出ませんが、ローンを返し終えた後は家賃収入がそのまま自分の利益になるという仕組みです。購入した不動産が借りられている間はローンの返済とプラマイゼロになりますが、空き状態が続くと、自分の収入からローンを返済する必要があり、リスクが高い投資と言えます。ただ、マンションをローンではなく一括で購入してしまえば、借金もなく早くから家賃収入が得られるようになるので、やるなら絶対に一括で購入するべきでしょう。ただ、マンションを一括で購入するほどのお金が入ることは宝くじが当たった時くらいしかないので、不動産投資は宝くじが当たった時にやるものです。

不動産投資では不動産の賃貸から収入を得るものですが、多くの場合、借りる側からすれば、不動産の持ち主は誰であっても関係ないでしょう。そういう意味では、不動産の持ち主は誰であっても社会に与える影響は同じなので、不動産投資をやる社会的な意義はないと言えます。つまり、収入は得られるけど、誰かの役に立ったという貢献感は得られない投資です。

株式投資

株式投資は、企業の株を購入して配当金を得たり、株の売買によって利益を得る投資です。株式投資は存在そのものはほとんどの人が知っているかと思いますが、では、株式投資を行うことで株が購入された企業にどのようなメリットがあるかご存知でしょうか。私の周りで株をやったことがる人でもその辺りの仕組みは知らない人が多く、私自身も最近知りました。

そもそも株というは、株式会社が資金を調達するための仕組みです。株を発行し、その株を投資家が購入することで企業は資金を得ることができます。しかし、投資家に購入された株が株式市場に売りに出された後、別の投資家がその株を購入しても、その時点では企業にはお金は入ってきません。そのため、株式市場で株の売買が行われても企業にとって直接的なメリットがないように思えます。ですが、実際には株を購入することは、その企業の株価の上昇に貢献することになります。そして、株価が上昇すると、企業の価値が上がり、企業は新たに資金調達がしやすくなるというメリットがあります。つまり、株式投資は企業が資金調達をしやすくなることに間接的に貢献しているのです。

だとするならば、株式投資を行う場合、世の中にある企業のことを勉強し、将来性があって事業内容に共感できる企業、つまり自分が応援したいと思える企業を見つけることが大事だとわかります。株式投資は、応援したいと思う企業を探して応援することに手間をお金を惜しまない人がやるべき投資です。

投資信託

先に述べたように、株式投資は企業研究に手間を惜しまない人がやるべきです。もっというと、株をたくさん購入しようと思うとそれなりのお金が必要になるので、お金にもある程度余裕がある人がやるべきでしょう。ただ、企業研究に時間を使えて、かつ株を購入するだけのお金がある人はそれほど多くはないかもしれません。私自身、企業研究に時間をかけるのであれば、本業のスキルアップのために時間とお金を投資した方がレバレッジが高いと感じているので、株式会社をやりたいとはあまり思いません。

ただ、そういう人に対して投資のハードルを下げた商品があり、それが投資信託です。投資信託は簡単にいうと投資先の企業の選定をプロに任せることができる金融商品です。少額からでも始めることができるため、企業研究に時間を使いたくない、かつ少額しか投資に回せない、という人でも始められます。プロに任せると言ってもリスクがないわけではないですし、運用を人に任せているため得られるリターンも自分で投資を行うよりも少なくなります。ですが、ローリスクローリターンで少額から始められる投資なので、気軽に始められる投資と言えるでしょう。投資信託は、株式投資の仕組みをある程度知った上で、企業研究を自分でやりたくない、かつ少額から始めたい、という人に向けた投資です。

FX投資、仮想通貨

この2つについては私の勉強不足で申し訳ないですが、いまいち仕組みがわかっていません。利益が得られる理屈はなんとなく分からなくもないですが、それによって社会的に誰がどんなメリットを得られるのかがわかっていないです。感覚的には、投資家本人が利益を得られる以外、他の誰かにとってメリットはなさそうに感じるのがこの2つの投資です。お金でお金を増やすゲームの感覚に近く、そのようなマネーゲームを楽しいと感じる人がやるべき投資という理解です。

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金融商品に関して言えば、他にも保険や銀行預金など色々ありますが、お金メインの話になってきて投資の本質とずれてきそうなのでここでは割愛します。

投資の目的

最後に、投資の目的についても触れておきます。
途中からお金を増やす投資の仕組みばかりの話になってしまいましたが、最初に述べた通り、投資とはお金を増やすことに限定した言葉ではありません。繰り返しになりますが、投資は将来のためにお金と労力を使うことです。投資の目的お金ではなく、将来が幸せになるためである必要があると思うのです。

もちろん、幸福度を上げるためには一定のお金が必要です。だからこそ、将来的にお金を増やすことができる金融商品がたくさんあります。ですが、お金だけが人生の全てではないことも確かです。ある研究によれば、幸福度と収入には相関関係があるが、収入がある一定の額を超えるとそれ以上、いくら収入が増えても幸福度は上昇しないんだそうです。その額は一説によると年収7万5000ドル。日本円にすると約870万ほど。まあ、これだけの年収がある人は日本ではほんの数%しかいないと思います。(私自身この金額には全然届きません。。)ただ、お金はたくさんあればあるだけ幸せになるというわけではないということは知識として知っておいても良いかと思います。

例え収入がたくさんあったとしても、健康でいられなかったり、自分のやりたいことができなかったり、人間関係で不満があったりすると幸福度は下がってしまいます。お金はもちろん大事ですが、将来自分が幸せな人生を送るために、何に時間とお金を使うべきなのかをしっかり考えることが大事だと思います。

まとめ

  • 投資とは、将来のためにお金と労力を使うこと

  • 投資には、自己投資と、お金でお金を増やす投資がある

  • レバレッジ効果とは、かけたコスト(お金+時間)に対して大きなリターンを得ること

  • 最もレバレッジ効果の高い投資は自己投資

  • 自己投資で大事なのは、健康への投資と仕事に対するスキルアップの投資

  • レバレッジ効果の高い分野は「語学」「金融知識」「IT」

  • 金融商品に手を出すのは構わないが、自分で正しい知識を身につけた上でやろう

  • 不動産投資は宝くじが当たった時にやるもの

  • 株式投資は応援したい企業を探す企業研究に時間を使える人がやるもの

  • 企業研究を人に任せつつ、少額から株を始めたいなら投資信託もあり

  • FX、仮想通貨はマネーゲーム好きがやるもの

  • 投資の目的は将来幸せになるため

  • お金は大事だが、お金だけで幸福度が決まるわけではない

  • 自分の幸福度を上げるためには何が必要かを考えて投資をしよう




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