三人寄れば文殊の知恵?それとも雑魚は何匹集まっても雑魚?

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。
意味は「平凡な人でも三人で協力すればよい知恵が出る」というもの。

大学時代の出来事で印象に残っていることがあります。
数学の講義の演習時間の時、同学年の3人で協力をしながら演習問題を解いていた。
この時、教室内を見回っていた教員に順調かどうかを尋ねられた。
3人のうちの1人が「三人寄れば文殊の知恵です」と答えたら、教員から「雑魚は何匹集まっても雑魚ともいう」という返答が返ってきた。

なかなかひどいことを言うなと思いつつ、確かにそうなのかもしれない、とも思った。
3人がそれぞれ別の視点で物事を考えていたのだとすると、それぞれが自分の考えを伝えることで、その発想からヒントを得て答えに近づけるかもしれない。
でも、3人とも同じくらいのレベルで同じ視点しか持っていないのだとすると、3人集まったところで何の進展もないかもしれない。

今私はプログラミングを教える仕事をしていて、新人研修で10~20数名を相手に一度にプログラミングを教えることもあります。
新人研修では、演習問題の時間に3人程度でお互いに教えあいながら取り組んでいる姿をよく見かけます。
そんな時、これははたして三人寄れば文殊の知恵となっているだろうか。
雑魚は何匹集まっても雑魚となっていないだろうか。
なんてことをよく考える。

下手に講師や優秀や研修生が直接教えるよりも、分からないなりにも研修生同士であれこれ考えながら成長していけるのなら、きっとその方が良い。
でも、3人で集まっても10分以上話しあっても何の進展もないとするなら、それは明らかに時間の無駄で、分かる人に教えてもらった方が良い。

つまり、3人程度で何かの課題に取り組んでいるとき、三人寄れば文殊の知恵状態なら、それはすごく良いことだけど、雑魚は何匹集まっても雑魚状態になっていると、時間がもったいなくてすごく良くない。

研修をしているときはその見極めがとても難しいと感じます。

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