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未来を考えて、利他的に生きる

最近、日本人がノーベル物理学賞を受賞したというニュースがワイドショー番組で取り上げられていた。私もあまり詳しくは知らないけれど。詳しく知りたい方は他のニュースサイト等をご覧ください。

受賞された真鍋さんは気象学を専門としていて、地球温暖化の研究などをされていたのだそう。

素晴らしい功績だと思いますが、研究内容が評価されるタイミングには少し違和感を感じてしまった。ノーベル賞の評価基準は全くわかっていませんが、なぜ今のタイミングで気象学の研究を評価するに至ったのかが少し不思議でした。

温暖化をはじめとする地球環境の問題は今世界的にはホットな話題です。ですが、「地球温暖化」というキーワードはかなり前から存在していた問題のです。私の記憶では小学生とか中学生の時点で地球温暖化は問題視されていなので、少なくとも20年くらい前から課題として世界中に認識されていたように思います。その当時から、このままでは地球の気温が上がっていくといわれていたし、その影響で色々問題が起きる可能性も示唆させていたはず。ですが、問題だと言われていた割には、その問題を解決するために本気で行動していた人はきっとほとんどいなかったのでしょう。

そして今現在。日本では豪雨による災害が毎年のように起こり、台風は巨大化し、毎年のようにいろんな地域で最高気温を更新していく。要は異常気象と呼ばれる現象が頻繁に起きるようになった。たぶんこのような現象は日本だけではなく、世界中いたるところで起こっているのでしょう。そうやって問題が顕在化して初めて、世界中それぞれの国が、国を挙げて地球環境の問題に本気で取り組みだした。そういう経緯があって、今回気象学で地球温暖化の研究をされていた方がノーベル賞を受賞するに至ったのかな、と勝手に想像していた。

結局、ほとんどの人間は「今」の「自分」のことしか考えていないのかな、と、そのニュースを見ながら思いました。未来に起きるであろう問題を指摘したところで、その問題を防ぐために今から行動を変えていく人はほとんどいない。たとえ、次の世代の人たちが困ることになると分かっていたとしても。だから、未来のことを研究したり、未来に起こる問題を防ぐための行動をしている人がいたとしても、それは問題が起きていない時点ではあまり評価されない。そして、実際に未来に問題が起きたときに評価されてみんなから注目を浴びる。人間って身勝手で未来に興味がない人ばかりなんだなー、とノーベル賞受賞のニュースを見ながらなんとなく考えていた。

日本は今少子高齢化が問題視されています。あと数年で超高齢化社会が訪れると言われています。そうなった時にきっと様々な問題が起こるのだと思いますが、国を挙げて少子高齢化の解決に向けて大々的に政策を立てて取り組んでいる様子は今のところあまり感じない。人口問題も、気象問題と同じだとするならば、数年後、実際に超高齢化社会がやってきて様々な問題が実際に起こったときに、人口増加について研究している研究者が評価されてテレビに引っ張りだこになり、国が本気を出して問題解決に取り掛かるのだろうかと想像する。

温暖化や少子高齢化は、国や地球規模の、つまりマクロレベルの問題ですが、未来のことを考えて行動しないのはミクロ(個人)のレベルでもおそらく同じ何だろうなと思います。

例えば、投資。ハイリスクハイリターンの、ギャンブルに近いような投資は好きな人だけがやればいいですが、NISAのような、ローリスクでほぼ確実にコツコツお金が増えていく仕組みは、どう考えてもやっておいた方がお得です。でも、実際にやっている人はきっとかなり少ない。(かく言う私も、お金でお金を増やす仕組みがあまり好きではなくでやっていないですが。。)

数年前、AI技術がよく取り上げられていた時、今後AIの発達によって人間の仕事が奪われるという話をいろんなところで見かけた。このような話題をメディアが取り上げることによって不安を感じた人は多いようです。ですが、世の中にはAIに奪われないであろう仕事だってたくさんあるし、自分にしかできない強みを持てばできる仕事がゼロになることは早々ないと思う。AIに仕事を奪われるかもしれない、という不安を感じるなら、今から何か新しいことを初めてできることを増やせばいい。未来のためには確実にそうした方が良いに決まっているけど、それでも、未来のために実際に何かを始めた人はきっと少ないのだと思う。結局、新型コロナウイルスによって様々な問題が発生したことによって、強制的に新しい試みをせざるを得なくなった人の方が圧倒的に多いことでしょう。

仕事でシステム開発のプロジェクトに携わっていても、みんな「今」と「自分」のことしか考えていないと思うことが多い。例えば、プログラムにちょっとした問題があって、「ここは今のうちに修正しておかないと、後々面倒なことになりそうだ。」とプロジェクトメンバー全員が思っていても、結局誰もやらない。そして、後々になって実際に問題になって開発や運用に支障をきたすようになったら対応する。開発プロジェクトではこれが日常茶飯事。

ミクロでもマクロでも、本質的に人間は「今」を優先して生きているのでしょう。私自身、「今」楽な方を選択することは多いし、自分の視点でしか物事を考えらていないことも多いので、偉そうなことを言える立場ではないですが。それでも、1人1人が、もう少し「未来」と「他人」のことを考えながら行動することができたなら、世の中は今よりも少しだけ豊かになるような気がする。

未来のことを考えながら、利他的な生き方ができるようになりたい。
そして、そういう人が少しずつ増えていくといいなと思います。

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ちなみに、利他的と聞くと、自分よりも他人のことを優先する意味合いを持つことが多いですが、ここでは、自分と他人を含む全体のことを考慮する意味合いで使っています。

利己と利他の捉え方はこの本にすごく影響を受けました。多くの気づきを得られた、最近読んで面白かった本です。


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