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クルド人の難民認定ほか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.7.10-22.7.16)

確定報ではないので先走っても。と思いつつ、大きなニュースだったトルコ国籍クルド人に難民認定がおりるらしい、という件。

もちろん今回のケースはあくまでも「このひと」限定の話、すべての在日本クルド人に適用可能というわけではない。ぐらいの注釈は公的に表明されることでしょう。

NATOにスウェーデン、フィンランドが加盟申請するにあたってのトルコの動向が注目を集めましたが、その主たる要素として「クルドの処遇について」があったことは、いうまでもありません。

上で挙げたオーストラリア国際問題研究所のテキストは、対ロシア戦略としての新NATO体制がクルド人にとってリスクと引き換えになったことを指摘する内容で、つまり本邦の難民認定がトルコとの外交問題の火種であることに変わりはないわけです。
どうせ怒られるならひとりとかケチなことを言わずこのタイミングで2,000人とも言われる在日クルド人にドカンと在留資格を与えてしまえば……。ぐらいのことを思うものの、高度な外交能力が要求される本件、個人的には固唾を呑んで注視しています。

■アフガニスタンからの「避難民」が帰国する、という話

この1年近く、大使館の職員として給与が支払われていたり、半年の「特定活動」の在留資格を更新したりということはありましたが、中長期的に日本で生活するために、身元保証人、住居の確保、就労支援、日本語教育、家族の呼び寄せ、難民申請手続の仕方などについて、きちんとした説明や対応が、外務省からも法務省からもなかったと聞いています。御家族の中には、「このまま日本にいても何の希望もないから、帰国して殺されたほうがましだ。」とおっしゃっている御家族もいます

記者から法相への問い(抜粋)

ウクライナ「避難民」への手厚さとの違いを考えざるをえない。
あと、この話まったくメディアに載ってないと思うのですが、ニュースバリュー無いかね。

■いっぽうそのとき

こういう何をいまさら系のニュースがあり、「強制送還でいいだろう」てなコメントが相変わらず付くんですが、すみません「容疑」かかった瞬間に帰国を命じろ、っておっしゃってます?
段取り踏む必要さえない、相手が異邦人なら。って発想を真顔で言うようなひとが増えていけば、それはもう名実ともに民主主義国家ではないんですが。

■今週のその他ニュース

(ベトジョーが「日本で働くベトナム人の収入、円安で大きく目減り」と題した記事の元ネタ)

あとこれ、朝日新聞出版刊行書籍のPR記事が文春オンラインに載るのはなかなか珍しい光景。

■サムネイルはIMDb『マイ・スモールランド』(2022)から


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