育児と睡眠 ~ 子ども出生後の分断睡眠 ~
待ちに待った子どもの誕生ですが、睡眠という視点で見たときにどうしても悩まされるのが夜泣きや夜間の授乳。
私も少し前に子どもが生まれ、これまでの生活と一変しました。
私は父親の立場ですが、「育児によって睡眠がどのように変わるのか」データをもとに解析していきたいと思います。
(文:睡眠営業 兼 新米父 A)
SleepSign-Actについて
弊社製品には、SleepSign-Actという体動の大小から睡眠状態を推定するソフトウェアがあります。
以下の画像のように、就床時刻・起床時刻・その間の睡眠/中途覚醒を推定します。
弊社の育児休業制度について
育児休業制度を利用し、「2週間育児休業→2日出勤→2週間育児休業」という形で育児休業を取得しました。
データの比較
私は2018年から5年以上、データを取り続けています。
そこで、子ども出生時のデータとちょうど1年前のデータを比較し、どこまで変化があるのか早速見ていきたいと思います。
1.俯瞰図-1年前のデータとの比較-
ざっくり遠目に見ても子ども出生後は大きな黄色(=中途覚醒)があるのが目につきますね。
出産時は立ち会っておりましたので一睡もせずに1日中背中をさすっている様子がわかります。妻はこの時間中頑張ってくれていたことになるので、頭が上がりませんね。
生まれた後は母子は入院していたため、その後4日間は1年前と同様の睡眠様相ですが、母子退院後一変していることがわかります。
それでは母子退院後のデータを詳しく見ていきましょう。
2.俯瞰図-母子退院後のデータ-
まずやっぱり一番目立つのは1時間程度の中途覚醒(図中赤色矢印)ですね。1時間から1時間半ごとに母乳またはミルクをあげるために起きていることがわかります。
慣れない育児をしながら、なんやかんや1時頃に寝て朝6時に起きる生活、加えて母乳またはミルクをあげるために睡眠が真っ二つに分断される。正直とても大変でした。
また、よく見てみると14時ごろ1時間程度横たわっているのがわかります。(図中緑色矢印)
これは少しでも回復しようと、14時ごろ子どもと一緒に1時間程度お昼寝していたからですね。データからもしっかりと見て取れます。
ただやっぱりどうしても無理していたのか、母子退院後5日経ったある日、激しい頭痛によりダウンしてしまいました。その時は妻の両親にも協力してもらいましたが、へろへろだったことを覚えています。
3.睡眠変数の比較
・1年前: 子ども出生の1年前の1週間の平均
・育休中: 子ども退院後の1週間の平均
として、以下に比較してみました。
※頭痛があった日はイレギュラーとして除外しています。
●布団にいた時間(TIB)
まずは布団にいた時間です。生まれてから目に見えて布団にいる時間が減っていることがわかりますね。
大体1時間半、短くなっています。慣れない育児に奮闘しているので寝てる暇がないっていう感じですかね…。
●眠っていた時間・起きていた時間
眠っていた時間・起きていた時間とは、布団に入り、「眠りに落ちた時刻~目が覚めた時刻」間で眠っていた時間・起きていた時間の合計です。
眠っていた時間が3時間ほど減り、かわりに起きていた時間が1時間ほど増えていることがわかります。
1-2時間程たったら一度起きて、1時間ほどお世話をしているので見事にその様子が表れていますね。
●睡眠効率
睡眠効率とは、簡単に言いますと、寝床に就いていた時間のうちの眠っていた時間の割合です。
式で表すと、下記のようになります。
睡眠効率(SE)= 総睡眠時間(TST)÷ 総就床時間(TIB)
睡眠効率は下記の様な特徴があると、高くなります。
・寝つきがいい
・中途覚醒が少ない(途中で起きることが少ない)
・寝起きがいい
「睡眠効率がよければ良い睡眠」と言い切ることはできません。
ただ、一般的には睡眠効率が良いことは、よく眠れているかどうかの指標の一つになります。
このよく眠れているかどうかの指標である睡眠効率も大きく下がっていることがわかりますね。
これはもちろん、短い睡眠時間の間に1時間程度起きていることが原因になります。
個人的な体感にはなりますが、やっぱり短い睡眠時間を分割して確保するよりも一気に長く寝られるほうが疲れが取れる気がします。
そういう意味でもやっぱり身体的には大変な毎日だったなぁと思いだします。
まとめ
いかがだったでしょうか。子どもは本当にかわいいですし、こっちを見てくれるだけで疲れは吹き飛ぶのですが、睡眠という視点でみると本当に大変だなと改めて自分のデータを見て思いました。
恥ずかしながら周りの先輩パパさんやママさんから、「夜眠れていない」「2時間おきに起きる」と言われても、大変だなぁという感想しか抱けなかったのですが、データで見ると改めて本当に大変な日々なんだなと感じることができました。
世の中のお父さん・お母さんはこんなに大変なのに、周囲やもしかしたら自分でも大変なことをしていると気づいてないかもしれません。
例えば睡眠を客観評価することで、本人にも周りにも「こんな感じで本当に大変なんだよ!」と伝えられるお手伝いができれば、ちょっとでもお父さんとお母さんの心が軽くなるんじゃないかなと思います。
次は子の成長とともに睡眠がどのように変化していったのかをご紹介できればと思っています。お楽しみに!
今回計測に使ったシステム
睡眠/覚醒リズム研究用プログラム SleepSign-Act
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