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【喫茶と休日と、言葉。】

Prologue.


今日も皆様おつかれさまです。
おなか、空いていませんか?

人は誰しも心の中に、
ふと思い出す「おいしい記憶」が
あるのではないでしょうか。

こちらのエッセイでは、
食を愛するすべての人へ
「喫茶と休日」から言葉をお届けします。

さあ、ひと休み。
珈琲でも飲みながら、召し上がれ。


Ep.1
「あの喫茶店で、今日も。 」


あなたにとって、
喫茶店という場所はどんな存在でしょうか。

友達とおしゃべりを楽しんだり、
一人で読書や作業をしたり。

人の数ほど、色々な過ごし方がありますね。

喫茶店の括りに限らずカフェという空間は、
何かに「出会う」場所ではないでしょうか。

人と人だけでなく、美味しいものに出会う。
そこに存在する本や雑貨など、素敵な空間に出会う。


私が喫茶店と出会ったのは小学生の頃。
祖父と美術館に行った帰り道で雨に降られ、
近くにあった小さなお店に入りました。

しかしどこだったか、場所を思い出せないままに
20年以上の月日が経ってしまいました。

その時食べたのは赤いりんごのケーキ。
歩き疲れてご機嫌ななめな小さな私の手を引いて、
祖父が甘いおやつを食べさせてくれたのです。

小さな頃から食べることが大好きな私は、
美味しいものですぐにご機嫌になる単純な子どもでした。

よく意味は分からないけれどあの絵が良かった、と
大人びた様子で自慢げに語る私は、
雨で濡れたことなど忘れて
ケーキを口いっぱいに頬張ります。

これが私の「おいしい記憶」の一つ。
そこにはいつも、優しい眼差しの祖父がいるのでした。


何だっていいのです。

気まぐれに訪れたその場所で、
自分の好きなものに気づき、
やりたいことが頭の中にアイデアとして生まれるかも。

何もなくたっていいのです。

ただゆっくりと、ぼーっとする時間。

自分の落ち着くお気に入りの席を見つけて、
美味しい飲み物やおやつをもぐもぐ。

「ああ、幸せだなあ」と
今楽しく幸せな人も、そうでない人も。

その空間で、ひと時のやすらぎを得られたなら。

それはあなたにとって、
「おやつ」のように甘く優しい時間となるでしょう。


最後に「喫茶店」の歴史を少しご紹介いたします。
珈琲を提供する喫茶店が誕生して約 130 年。
江戸末期に海外から珈琲が持ち込まれたことをきっかけに喫茶文化は始まりました。

そもそも喫茶店は
「珈琲や紅茶などの飲み物、トーストやホットケーキなどの軽食を提供する飲食店」のこと。

なんと明治時代の頃には、
現在のいわゆる複合カフェ的な空間が存在していたそう!

しかし珈琲は上流階級の人たちの嗜好品。
日本の一般の人々には受け入れられず…

後に生まれた「カフェー」と呼ばれる
社交場としての施設の方が先に普及したのです。

現在では昔ながらの純喫茶や音楽喫茶、
本屋さんや雑貨屋さん併設のカフェなど多様化していますね。

時代に沿って、
喫茶店の形も変化(進化)していくものですが、
その存在はずっと、人々に愛され続けています。

…何だか私もお腹が空いてきました。
そうだ、今日もあの喫茶店に行こうかな。

お気に入りのコートで、
小さなカバンにカメラと本を入れて。

温かい紅茶とタルトでも食べたい気分です。

今日は何に出会えるかしら。

それでは皆様、またいつか、あの喫茶店で。



~本日のおすすめ喫茶店~

「 純喫茶 フルール 」

昭和44年開業の喫茶店。
50年以上にわたり幅広い層の方々に愛されている。
ヨーロッパの老舗カフェのような豪華な内装で、
非日常の世界を楽しめる。
大きな窓からは光が差し、
クラシックで居心地の良い空間づくりがされている。

ボリューム満点の手作りランチは種類も豊富。
プリンやパフェなどのスイーツメニューも美味しい。

おすすめは「フルールランチ」。
クリームコロッケ、メンチカツ、エビフライ、
ポテトサラダ、サラダ、スパゲティにご飯付き。

(阪急長岡天神駅の目の前、オレンジの看板が目印。)


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