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ブランディングしないブランディング

と、大げさなタイトルですが、ビジネスやためになる話でもないのですがお時間ある方チラッとどうぞお付き合い下さい。かたい話ではありません。

何かのきっかけがあった訳ではないけど、最近”ブランディング”という言葉に違和感が出てきてました。”ブランド”にもう飽きてきたと言った方がいいかもしれません。もちろん、個人経営であっても企業のマーケティング戦略の1つであることくらいは、いつもヘラヘラしている私でも知っている。
今まではブランディングが必要な時代だったと。
けど、もう自分はいいかなあってふと。会社経営しているわけでもないのに。

自分のミーハーを作った方が、見つける方が、愛する方が、そこから自分を知る筋肉をきたえることになるのかもしれない。群れなす同調圧力のようなものではなくて、自ら愛するものを見つける視点。

ブランディングを否定しているのではなくて、「え?ん?飽きたな(笑)」と思ったぐらいなのですが。この疑問はなぜだか大切なことかもしれないと、自分の中でずっとあたためています。


少し話がズレますが、
先月、”大型で非常に強い”台風10号が九州に南部に大接近しました。私が住んでいる鹿児島県の大隅半島は大きな被害はなかったのですが、進路近くの薩摩半島にある開聞山麓香料園さんの芳樟やハーブが気がかりでした。案の定、海が近いため塩害で園内の芳樟が枯れてしまったとのことで様子を見に。

モリモリと生い茂っている芳樟のおかげでハーブたちは守られたのですが、秋なのに葉がまとまって枯れていました。(葉の入れ替わりは春なので、枯葉が多いのはまだ先なんです)

枝ごと落とし、園内で処理されていました。塩害で枯れても葉にはオイルが残っていて、しっかりと芳樟の匂いが。(枯葉も蒸留できるんですが、今回は使わず)

園内で一番樹齢が長い大きな芳樟。いつもフサフサしているのですが、すかすかの姿がなんとも痛々しい。「でも大丈夫ですよ、また戻ります」と副園長さんがおっしゃってくれました。


別の畑ではハーブの小さな芽が。芽たちがお行儀よく並んでいる、緑の線がわかりますか?

胸きゅんなかわいさ!

左:ワカタイ(ペルーのハーブ) 右:チャービル

左:ディル 右:ルッコラ

灰になった芳樟の葉と、小さい新しい命たち。終わるものと始まるもの。ここにはもう何回も遊びに来ているけど、初めて見る光景でした。

香料園さんと植物たちの付き合い方は実にあっけらかんとしているように見えます。あっさりというか。愛情がないというわけではなく、対自然を受け入れる力がすごいというか、抗わないというか。

初めての光景を目にしながら、そういえば、開聞山麓香料園さんは一切ブランディングをしていない、ということに気づきました。影響力がある人との共同開発商品などの”色”もない。あくまでも「鹿児島県産のエッセンシャルオイル」

ここのオイルを取り扱う会社(お客様)は、レストランのオーナーがどんな畑で作物が育てられているのか現地に見学にいくように、どんな自然条件で育っているのか目で確かめ、そこから生まれるオイルの量・質を理解し、だからこその値段も納得する。オイルだけではなくここで育てられたハーブ同じく。(数カ所のレストランが取り扱っています)オイルも・香りも野菜たちと扱いは変わりはないのです。とてつもない広さではありますが、季節もあるので大量生産はできません。

あ、これってブランディングしないブランディング?と香料園さんの帰り、車を運転しながらぐるぐると勝手に思いを巡らせたのでした。しかし、この姿勢は日本ではなかなかめずらしいのかもしれません、園長さんも副園長さんもなんだか日本人離れしているので(容姿ではなく)。
お二方の”センス”と言っていいと思います。ぜひ、現地に行って確認してみてください!

園長さん

副園長さん
はい、広いのでここでは人はたまに豆粒になってしまいます。

余談ですが、この記事を書きながら↑↑のことをふまえた会社か、NPO法人を自分はいずれ設立することになるかもな、と、ふと思いました。またこれも大切にあたためようと思います。


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