見出し画像

世界のために私は柄シャツを着て、ラジオ体操をして、よく眠る

If you wanna change the world, start off by making your bed.
(世界を変えたければ、ベッドメイキングから始めよう)

ウィリアム・マクレイヴン海軍大将

何者かになりたいとあがきながら文章を書いている私にとって、未来のために何かするというのは、なんだか仰々しい。

環境に良い製品を作っているわけでもないし、伝統を守り続けているわけでもないし。

それでも「どうせいつかは死ぬのだし、未来なんて知ったことではない」と投げやりになることもできない。
相変わらず、中途半端な人間である。

田舎に住むごく平凡な人間ができるのは、ほんの些細なことだ。
例えばそう、ネイビーシールズにとってのベッドメイキングのような。

それをするだけで少しだけ、自分を誇らしく思い、好きになれるようなこと。
そうやって小さな自信を拾い集めて、なんとか流されないようにするのが、よりよい未来のために私ができることなのだ。

流されないようにするっていうのは何に対してかというとまあ、自己嫌悪とか無力感とか?
より具体的に言ってしまえば、死とか犯罪とか。

物価高や税負担の増加によって、みんながぜいぜいで息を切らしながら生きている中で、一線を超えないための命綱。

それは私のとっての派手な柄シャツ。
髪のインナーカラー。
ポモドーロ・テクニックの休憩時間にやるラジオ体操。

仕事のメールに添えるちょっとした気遣いの言葉。
背伸びして選んだ小難しい本。
あたたかい風呂に入った後の気持ち良い睡眠。

SNSやメディアを通じて「凄い人」の情報が常に入ってくる世の中だから、なんだか生きるハードルはどんどん高くなっている気がしてしまう。

「未来のために、こんなに凄いことをしています!」と言われると、気圧されてしまう。
そんなの偉すぎて、凄すぎるので。

お気に入りの柄シャツを着てウキウキで外に出るくらいでも、世界に貢献した気になっている。
そんな人間がいることで、いろんな人のいろんなハードルが下がったら嬉しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?