海色

わかりにくいところです

友人の個展のお誘いフライヤー
ナビセンセイを頼りに行こう

ここいらまではよく来るところ
魚市場の先ぐんぐん進む
カーブを曲がると突如あらわれる
白波立てた海　
寒そうだね
そのまま海岸通りを走り
こんもり樹木の生い茂る道に入る
森ですか　ここは
光が背の高い木の枝葉で薄められ
曇り空のようになる

車一台分の道幅
おそるおそる抜けると
溜池の横に画廊の看板
世俗を離れた隠れ家か
ツワブキの黄色に出迎えられて

古民家に滑り込めば
青
杉　杉　杉
居合わせた男性が
その青をバジターだという
絵描きさんですか
バジターを中心にどんどんと青が深くなる
家中を大作が居座り
カフェスペースにも顔出す

友人は腕が上がらないらしい
没頭したんだね
今日の海はバジター色ではなかったが
林立する杉の色から
海が見えたよ