10月22日
今日は父の命日。2年前の朝、つめたい雨が静かに降るなか父は旅立った。最期の数年、父は入退院を繰り返していたし、父が逝った2日後、わたしは自宅の階段から落下して頭を打ち、葬儀当日も病院のベッドに縛り付けられて父をおくることが叶わなかった。だからだろうか、まだどこかの病院に入院していて、そのうち帰ってくる気がする。
去年のこの日は埼玉の実家で「あのつく人」を終日折っていて、今年は昨晩折り終えた束を持って、都内を配架してまわった。大切な命日にゆっくり家で写真など見返しながら思いを馳せるでもなく飛びまわっているわたしをも、父は受け入れてくれているだろう。5年前、初回の「あのつく人」を一緒に折ってくれたのも、ツイッターに投稿する最新号の完成に真っ先に「いいね」を押してくれるのも父だった。
父のことをこうして書くのはわざわざ弱味を見せるようで躊躇われたが、今日くらいは素直になるのもいいだろう。
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