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【こんな映画でした】873.[ピアニスト]

2024年 7月 9日(火曜) [ピアニスト](2001年 LA PIANISTE THE PIANO TEACHER フランス/オーストリア 131分)

 ミヒャエル・ハネケ監督作品。イザベル・ユペール主演、相手役男優はブノワ・マジメル。母親役にアニー・ジラルド(撮影当時70歳)、面影は残っているが、やはり年を取っている。

 過保護な母親とその娘との濃密な関係から、中年となった今も男性との通常の愛情関係を持てない冷徹な仮面を被った女性が主役。そもそもは母親との関係に問題があるということ。

 そして若い男性が出てくるが、言うなれば身の程知らずで、私は年上の女性に憧れる気持ちを全否定はしないが、冷静あるいは客観的にものを見、考えられないところに未熟さがある。そのくせ自分の未熟さを棚に上げ、女性を糾弾する。なんともお粗末な人間である。しかし、若いから仕方がないということか。

 こんなふうな映画がどうして受けるのか、私には理解できなかった。ひとえにアニー・ジラルドを観たいばっかりに入手した映画であった。ある種いびつな母子関係を見事に演じていたと言えようか。

 おしまいの方で娘が、この母親に抱きついていき、愛していると叫ぶのだが、それは娘の心の底からの叫びであったろう。しかし、母親はこれまで通り、それも受け容れることができない。というか今まで通り、突き放したままだ。口では愛しているとは言っているのだが。悲惨な実態というか、よくある話でもある。

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