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【こんな映画でした】712.[カリガリ博士]

2020年11月24日 (火曜) [カリガリ博士](1920年 DAS CABINET DES DR. CALIGARI THE CABINET OF DR. CALIGARI ドイツ 67分)

 無声映画。音楽が付いているとはいえ、いま一つシックリこない。画質も相当に厳しく見づらいのは仕方がない。ストーリーもなかなか分からず、やや我慢しながら最後まで観る。そしてどんでん返しにやられた。

 映画の歴史上、記念碑的な作品ということであろう。中でもドイツ表現主義という、その舞台セットは何とも。面白いといえば面白いのだが、空間が歪んでいるような斜めのラインを多用してのものは、やや分かりにくくもある。

 監督はロベルト・ウイーネ。カリガリ博士はヴェルナー・クラウス、撮影当時36歳くらいであった。眠り男チェザーレ役をコンラート・ファイト、撮影当時27歳、[カサブランカ](1942)にも出ているようだ。

 唯一といっていい女優は、リル・ダゴファー、撮影当時32歳くらい。いずれの俳優も厚化粧というか、眼の縁取りがすごい。フィルムの感度が良くないせいもあってか、あるいは照明のせいか映像はクリアとは言えない。その当時はどうだったのだろう。

 100年前の映画であると思うと、良くやっていると言うべきなのだろう。アイデアもなかなか秀逸というべきか。精神科医や精神病院が出てくるとは、オープニングシーンからは想像もつかなかった。やられた、といったところ。

 それにしても精神病・精神科医といったアイテムは、悪く利用されたら危険なものであることをすでに指摘しており、そういう意味で関心させられた。

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