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【こんな映画でした】807.[アバウト・レイ 16歳の決断]

2023年 1月20日 (金曜) [アバウト・レイ 16歳の決断](2015年 3 GENERATIONS ABOUT RAY アメリカ 92分)

 ギャビー・デラル監督作品。イギリスの女性監督、初めて。主役レイにエル・ファニング(撮影当時17歳、子役で3本ほど観ている)。原題は「三世代」であり、レイからすれば祖母・母・自分ということに。

 その三世代の女性が、それぞれの違った生き方をしてきた・している状況を描く。祖母ドリーはスーザン・サランドン(撮影当時68歳)で、本当はレスビアンだったが、異性愛者として結婚、娘を産んでいる。今は夫はなく、女性と同棲している。

 母親マギーはナオミ・ワッツ(撮影当時46歳)で、結婚しないまま娘レイを産み、シングルマザーとして、またボーイフレンドとの楽しみも持つ(この時は黒人男性)。娘レイは小さい頃に、ドレスを着せられるのが嫌だったとか。そして心と身体の相違に気がつくことになる。16歳を期して性転換をしたいと願い、行動していく。

 その性転換については、未成年であることから親の同意(サイン)が必要ということで、音信のなかった「父親」とも出会い、隠されていた秘密も知り、その上で「男の子」になっていくようだ。

 ラストシーンは、レイの二人の「父親」とその家族たちが一堂に会し食事をするところ。考えようによるが、それはレイにとっては新しく増えた家族ということになる。

 血の繋がりにこだわってしまう一般人は、トランスジェンダーを認めることができないのだろう。しかし知られてなかっただけで、太古の昔からこのような人たちは一定数存在してきたのだと思う。ただそれを表明できないだけで、つまり本来の有様を隠して、それぞれ男として女としての役割を演じてきたのではないか。

 21世紀になったとはいえ、まだまだ社会的な認知は進んでいない現状であり、このことに一石を投じる映画であったということになる。それなりに佳作であると思う。

 あとドリーと同棲しているフラニー役のリンダ・エモンド(撮影当時55歳)が良い。[スタンドアップ](2005)・[ジュリー&ジュリア](2009)で観ている。

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