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【こんな映画でした】735.[オーソン・ウェルズINストレンジャー]

2020年12月19日 (土曜) [オーソン・ウェルズINストレンジャー](1946年 THE STRANGER ナチス追跡(TV) 謎のストレンジャー(TV・新) アメリカ 95分)

 オーソン・ウェルズ監督作品。日本では未公開とのことだが、たしかにそうだろう。何ともはや、の映画だった。「ナチス」ものであった。やはりナチスを指弾する映画の一つという位置付けなのだろう。ということは、これは政治的宣伝映画ということになるか。

 逃げ切るために、判事の娘メリーと結婚したとしか思えない結末であった。目的のためには手段を選ばないという非情さが出ている。

 そういった暗い内容とは別に、モノクロ・ライティング・カメラアングルの諸点について感心させられた。上手いというか、面白い。アイテムとして時計と教会の時計塔が使われていた。それがラストシーンでもある。

 ナチスの残党、といっても一兵卒レベルではなく、命令を下せる地位にあった人たちを戦後もずっと糾弾し続けたわけだが、この映画もそれを描いているということに。

 もっともこのやり方に合法性があったとは思えないし、もちろん道義的に許されることでもないだろう。それは私的制裁、つまりリンチなのだから。となるといよいよオーソン・ウェルズは、なぜこのような映画を作ったのか、謎である。

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