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【こんな映画でした】570.[殺人カメラ]

2021年 2月 8日 (月曜) [殺人カメラ](1952年 LA MACCHINA AMMAZZACATTIVI イタリア 80分)

 「イタリア映画コレクション にがい米」の一枚。ロベルト・ロッセリーニ監督作品。コメディ仕立てで、結構、監督の思想を言わせている。辟易させられるのはイタリアの田舎の土俗的な宗教。といってもキリスト教なのだが、偶像を押し立てて練り歩く儀式は、本来のキリスト教からはかなり遊離しているような気もする。もちろんどちらが良いか、という話ではないが。

 解説には「撮影すると写真に写った人物が死んでしまう“殺人カメラ"で、写真屋の主人が悪事を働く輩を懲らしめるが、次第に善悪の判断を見失っていく……。巨匠ロッセリーニの茶目っ気溢れる演出にニヤリとさせられる喜劇。」とあるのだが。

 主演の写真屋をジェンナロ・ピサノ、ジュリエットをクララ・ビィンディ。男性中心の映画で、女性は端役である。旅行者でもあるアメリカ人一行四人の内の一人の女優はマリリン・バッファードとクレジットされている。

 金持ちの貧しい人との対比、金持ちへの非難がダイレクトに出てくる。時代性もあるのだろう。最後は悪魔も人間に変身し、この写真屋と一緒に暮らしていくことになるのだろう。

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