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ドーパミンが止まらない体験をもう一度。おかわりマル秘展

小雨降る六本木、21_21 DESIGN SIGHT 。
再訪を望んでからずいぶん時間が経ってしまった。

私はまた、期待を携えて階段を降りる。

一度は体験したことがある展示、あの感動を超えられるだろうか。

……なんて、全く愚問であった。
私はまた(むしろ初回以上に)恍惚な気持ちを持って地上に上る。

***

さて、今回も超ネタバレ的に初回よりも多めの写真と現場でメモったコメント付きで記録しておこうと思う。
もう会期も終盤なので、ネタバレを気にせず思う存分やってしまおう。
未来の私がこれを読み返してニヤリとすることを期待して。


プロローグ

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よし、行くぞ〜!って階段を降りた先に並ぶ案内スタンド。
改めて見るとめちゃ可愛い。そしてnoteロゴに口角が上がる。


ポスター / ポストカード展示ゾーン

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いやはや、圧倒されちゃうな。
カラーリングに時代を感じつつ、一周まわって新鮮にも感じる不思議。


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日本古来のおめでたいまねき猫を いろいろな分野で活躍しているクリエーターによって自由にお化粧をしてもらいました。新しい時代の個性的な幸福をまねきましょう。

文章がとても可愛い。お化粧をしてもらいました…って…良すぎる。
言葉の選び方と漢字・カタカナ・ひらがなの表記(何にするか)の選択が興味深い。


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傘とかお皿とか欲しすぎる。それにしても出店者が豪華すぎんか???


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初回の高まりポイントでもあった「年表」。
これよく見るとメンバーの肩書きが年を追うごとに多様化していて面白い。
この間バウハウス展みたからか、「建築家」ってのに注目してしまう自分がいる。
世の中はどんどん細分化された肩書きになっているイメージなんだけど…とはいえ、肩書きに関係なくどの時代でも共通する部分はあるんだろうな。


映像展示ゾーン

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再開後の変化として、スタンドパネルが増えていた。


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でました見方案内。
こんなに丁寧に手を引いてくれる展示ある?…最高。


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初回も感動したけど、やはり映像の撮り方、三面の使い方が上手い。
 └ 顔のアップ、手元、空間の切り取りをそれぞれの面に映す
 └ ひとつの映像を三面に渡り使う

加えて、映像に登場する原研哉さん、伊藤隆道さん、鈴木康広さん、中山俊治さんの道具展示の良さ。
実物展示で空間仕切りつつ、各々の違いを実物通してみせる。いろんな役割を果たしているの最高。


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ひとつの画を右から左に流すのってもしかして展示会場の出入り口の流れに沿ってたりする?(だとしたら導線設計の視点がメタすぎて超アガる)


原画展示ゾーン

全て高まっているので、書き出すとキリがないから一部抜粋して。

▼ 田中 俊行さんブース

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空間デザイナーならではの奥行きのある展示が面白い。
物理的にレイヤーを認識できるの楽しいし、そういえばこういうのもアリだよねって再認識した。どっかで私もこういう表現やりたい。


▼ 松永 真さんブース

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ツルツルの金ピカピカ!!/ 銀ピカ!!

いや、スケッチのコメントが可愛い可愛いかよ。好きすぎる。

他のスケッチも興味深いし、「松永真、デザインの話。」読んでみようかな。


▼ 面出 薫さんブース

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スケッチと一緒に使われている文房具が展示されているの可愛い。
自分も使ってたものが展示されているとなんだか嬉しい気持ちになったり。
(このフェルトペンでペン入れしてたし、AIR-IN派だった)

他のブースでも使っている道具紹介がされていて面白かったなぁ。
そんな道具あるんすか〜〜〜ってなったり、自分とノートの使い方全然違う〜〜〜ってなったり、なんで万年筆で描けるん?????やっぱ経験値か??????ってなったりね。


▼ 須藤 玲子さんブース

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テキスタイルのデザイン現場が身近にないからか、アイデアスケッチからの起こし方が興味深かった。
羊毛フェルトのように糸を絡ませ合ってつくっているものもあったり、折り紙のようにしてつくっているものもあったり。
(みながらまじでバウハウス展行ってよかった〜としみじみ)

▼ 原 研哉さんブース

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ずらりと並べられたスケッチの中に、ポツリポツリと置かれた小さな立方体。そこには採用されたであろうデザインがプリントされている。
よくある表現とは逆転している展示方法なのがとても面白い。

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車の表情が可愛いくて思わずニッコリしちゃった。


▼ 深澤 直人さんブース

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INFOBARプロトタイプから何がどうしてそうなっのか気になりすぎる。
そんでもってRealmeスマホの素材サンプルが玉ねぎの皮て。と驚きつつ、でも大切な視点ってそういうことだよな〜ってなってる自分がいる。


▼ 山中 俊治さんブース

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私は!この子をみに!!再び足を運びました!!!
まじでマスクしててよかったと思う。
まじ…線が…気持ち良すぎるだろ。
終始恍惚としてしまった。恋かもしれない。

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可愛さがすぎる。
硬さのあるモチーフのはずなんだけど、なんだこの線の柔らかさは。
曲線と直線のバランスが究極に可愛い。

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いや、ハイライトの入れ方〜〜〜ッ…!!!!
生きもの感すごすぎる。今にもキュルンって瞬きしそう。キュン。
どこか塗り方がジブリっぽくて?愛おしさが止まらない。どうしよう。
山中さんブースみてるとき絶対心拍数おかしかったわ。


▼ 隈 研吾さんブース

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紙折っただけのはずなのに何この躍動感。
うまく言えないけど、数学的美しさの領域に当たるんだろうな。
くどいようだけど、バウハウス展でみたやつだ。ってなった。(テキスタイルなどでも登場する折り、これが最終的に建築に包括されていくぜってのの実例すぎて)
初回では意識しなかった部分が、時間を経て得た知見とリンクする瞬間の高まりすごい。


▼ 小泉 誠さんブース

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木と毛の異素材ミックスの可愛さ。
滑らかな曲線の触れたくなる愛おしさ。(欲しい)
他にも陶器だったり素材の気持ち良さが引き出されているデザインがたくさんみれるの最高。


▼ 平野 敬子さんブース

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資料の量が鬼すぎて何度見ても笑ってしまう。強すぎる。
これだけじゃなくて他の案件も同じくらい物量あるのがまた。
凶器になる質量。狂気を感じる。


▼ 柴田 文江さんブース

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ガラスってなんでこんなに可愛いんでしょうか。素材の研究最高。
曲線に沿って色の濃度が変わる魅力よ…。私も柔らか曲線のフラワーベース欲しい。


▼ 田川 欣也さんブース

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まじマル秘展企画してくれた田川さんに感謝しかない。
この資料よ…しかもnoteでも公開してくれるなんて…そんなことある???(まさにマル秘展の醍醐味感)

そして会場は展示物に集中できるようなデザインが至る所にほどこされているから堪らない。

展示物って天井のライトで照らすのが基本だと思うけど、マル秘展では天井からはそこそこに、什器の内側の縁に沿って仕込んであるライトがメインになっていた。(詳しくは田川さんnoteに)

作品をしっかりみせつつ、覗き込んでも影ができない配慮。(なんなら展示物から漏れる影が美しい)
みやすさや写真で記録されることを想定している設計ってまじでシビれちゃう。


▼ 鈴木 康広さんブース

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モチーフに対するスケッチ、繰り返しのアイデアが面白い。
そして物理的量で殴ってくる感じ…堪らん。


来場者の様子

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来場者の年齢や男女比、持ち物から見てとれる属性は初回と大きくは変わらない印象。(20後半 - 50代デザインやアートに興味を持ったり関わったりしているだろう男女)

彼らはどこでマル秘展を知って、誰と何度足を運んだのか、普段の興味範囲や属性がとても気になる。

ん〜やっぱり会期後に来場者データを公開してくれないかな〜。(淡い期待)


ポッドキャストと作家たちの椅子

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マル秘展サイトにアップされているインタビュー・イベント音声もチェケ

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椅子座れなくて残念〜〜〜。
だけど原画展示からの余韻をうまく残しつつ終わりを迎える空気がつくられているの最高。


エピローグ

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アンケートはQRのみになっていた。
せっかくなので回答。

アンケートの満足度数値は数字逆では?と思ったけどどうなんだろう。(満足度が高い=数字高いが自然と思ったけど、アンケートは逆だった)
note誘導ありつつ、アンケート内の選択肢になかったのはちょっぴり悲しかったな。(note経由で来場している人いっぱいいるはず)

アンケートでは伝えきれない高まる気持ちをnoteで伝えたい。
届くといいなぁ。


マル秘展は9/22(火)まで

約10ヶ月前の体験記録にも、再訪を確信している旨を記載したけれど、まさかこんな状況になっていることは予期していなかった。(メンバーシップパスを入手して何度も何度も高まりに行くはずだったのだ)

だからこそ、展示再開のお知らせは嬉しかったし、万全の体制を持って私たちを迎えてくれている展示関係者すべての方に感謝しかない。

家から出られない時間、そして再び美術館に行けるようになってから改めて強く感じるのは、展覧会は私にとってドーパミンを引き出してもらえる栄養体験だということ。

たくさんの人の手で考え抜かれ、設計された空間に身を投じることで、彼らの糸の断片が私の中に体験として蓄積されていく。全てを理解することはできないけれど、ある時ふと思い出されたり、体験同士が繋がることがある。

その瞬間、脳内にドッと溢れ出すドーパミン。
なんとまあ、中毒性がある体験だろうか。

…そりゃあ簡単にやめられるはずがない。
そして独り占めするなんて勿体無いから誘ってしまうのだ。

ほらほら、あなたもキメてごらんよ。
そう、何度でも。


P.S.
そういえば初回の記録時は東京事変が再生することを期待するだけだったけれど、期待が実現しちゃって堪んないよね。


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