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春の囁き クリスマスローズ ニゲル
『あ、花芽がついている』
12月中旬の庭仕事中に、落ち葉に埋もれた株の下に、白い蕾が少しだけ顔を覗かせていた。
作業中踏まれないように、枝の支柱で目印をつけてそっとその場を離れた。
クリスマスローズは、『ニゲル』と一般的な交配種の『オリエンタルタリス』に分かれ、早咲きのニゲルは、その名の通りクリスマスの頃に咲き始める。クリスマスローズ・ニゲルは(ヘレボルス・ニゲルの英名)だそう。
真冬に咲き始めるニゲルは、透け感のあるオリエンタリスの花弁に比べてやや肉厚。
また、俯き加減の花のオリエンタリスに比べてしっかり顔を上げている。
私は、純白の花弁と青みを帯びた葉の色のコントラストがとてもニゲルのチャーミングなところだと思う。
冬至も過ぎて、年明けて、一月。
何もない冬の庭にぽっとそこだけ白い塊。
開花したニゲルの花たちがヒソヒソと囁いているよう。
『春は来ますよ、春は来ますよ、今はとても寒いけどね。』
ニゲル一輪と側にあった、葉を落としたばかりの葉芽のついた姫水木をいただいた。
冬の空気の冷たさにあう、錫のコブレットを選ぶ。
写真を撮って気づいたのだが、このコブレットはやや傾いている。
古いものの歪み、その歪みもその物の持つ歴史であり、おおらかでそれもまたチャーミングだと思う。
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