見出し画像

椿の印象

木に春と書く椿。
早いものは、12月ごろから咲き始める。
冷たい空気の中にも春の予感。
出始めの椿は、やはり凛とした白がいい。

白玉椿

そして三月、今や椿の季節もたけなわ。
この時期、ご近所より集めてこれだけの種類が手に入る。
椿は、古来より愛されてきた花で、沢山の園芸品種があり、色や花型も数えられない位。園芸品種はとても華やかだ。
まさにシャンプーのコマーシャルのよう。

全部の品種名はわからないが、真ん中の赤いのが原種の藪椿。

椿は、生存戦略として、花を葉の下につけ、下向きに咲くそうだ。
雄しべや花も、虫のいない寒い季節に、鳥たちに蜜を吸わせるための構造になっているらしい。
花が落ちる時は、ボトッと潔い。

手入れをしていない山の椿は、おおらかだ。
下向きに咲く椿。

先日、自然に囲まれた仕事場で、トンビに襲われたヒヨドリが多数死んでいる時期に遭遇した。そこにはちょうど何時植えたかもわからない大木になった椿の木もあり、それ以来、落ちた赤い椿の花と死んでしまったヒヨドリが私の中で強く結びついてしまった。
落ちた花を見るのも写真を撮るのも怖い。
自然の摂理とはわかっているものの、私はもうこの印象から当分逃れられない気がする。

先日、友人の古民家にて例年通り庭の椿に花が咲いていたが、流石に今年はいける気分になれなかった。

友人の古民家にて。2017年撮影。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?