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ミモザの記憶

ミモザの花は、昔から好きでな花で、幾つか思い出がある。
一番印象に残っているのは、スペイン旅の途中、まだ一月なのにアルハンブラ宮殿の庭に咲いていたミモザ。揺れるミモザの枝とその背景は、まるで夢を見ているかのようだった。
今手元に写真がないことが、余計に記憶をくすぐるものだ。

湘南のミモザ アカシアブリスベーンワトル?かな。

次に、神奈川の内陸から湘南に転居したきた際に、地植えでも育つミモザを見て感動した。
当時働いていた生花店の店先のスペースにミモザの木を植え、それは翌年、翌々年とスクスク育ち、黄色の花をたわわに咲かせた。お店のブルーの鉄製扉にとても合っていた。
しかし、大きくなりすぎて大家さんから切るように命じられ、泣く泣く撤去となった悲しいミモザもあった。ミモザの成長スピードはかなり早いので、庭に植える時は要注意なのだ。

そして近年は、一月の仕事でミモザを使ったデザインを提案せねばならない。特に『ミモザのリース』は皆大好きらしく、2月はワークショップやお稽古、自宅用ととても需要があるらしい。

水仙、スノードロップ、小豆柳、ミモザの花束

ミモザの切り花は、水揚げが悪く、ホワホワが長く続くものでもない。また、パラパラと葉も花も落ちて、床を汚し、花粉症にはちょっとキツイ。また、あっという間に花は茶色くなってしまう。

しかし欠点はあっても、この寒い時期に見る『黄色いシアワセミモザ』には、やはり誰の目にも夢があふれる。だからこの時期のSNSにもミモザがあふれている。

私はリースにギュッとまとめてしてしまうことはあまりしない。
短期間であっても花瓶で愛でることにしている。
自由に風に揺れるミモザを想像したいから。
それは、アルハンブラのミモザの記憶が今でも残っているからだと思う。

ミモザとレモン。ピューターの花瓶。

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