見出し画像

盛夏の花仕事

梅雨末期の蒸し暑い昨日は、毎月恒例の花の仕事でした。
花の通販サイトさんの販売促進のお仕事で、『花レシピ』の製作撮影です。
お花の先生や趣味愛好家様向けに、季節の生花を取り合わせてデザインをご提案するという仕事です。

お陰様でもうかれこれ15年を越えて続けさせていただいています。
季節ごとの花はほぼ毎年同じなので、内容が同じならないように毎年少しづつ変化させていくのが難しいところ。
また事前にデザインを考え発注しても、いざ当日現場で長さや色合いなどイメージと異なる場合もあり、『急遽デザイン変更は毎回あるある』で、対応が難しいですが、そこが面白いところでもあります。
植物相手だから致し方なし。植物側の意向を汲むべしです。

しかし、『切り花には流行り廃り』もあって、生産者さんもそれに合わせて『新品種』が毎年幾らかづつ出てきているのと、洋服の流行と同じで、私が花を始めたずいぶん前にあったいわゆる『地味な脇役の花』が若い人たちには抵抗なくむしろ人気になっているものもあり、まあなんとかデザインのリノベーションやバージョンアップをしながら続けています。

白っぽい向日葵『ホワイトナイト』と草花の花束
昨日急遽登場、新品種西洋コデマリの茶色い小葉
今は八重咲きのトルコキキョウが主流。
久しぶりの一重のトルコキキョウはかえって新鮮。軽やかで良い。

私のこちらでの花レシピ作成の基本の考え方は、
『季節感』『できるだけ植生の近い花材で』『家で飾って長持ちするか』『エコ』『色合い、触感の合わせの面白さ』『買いやすい価格か』など。
ですから生花店でのデザインの考え方とはやや異なります。

例えば、『季節感』では、6月〜7月は梅雨と合間の猛暑で、『涼しげに見えるように』を考えて、色を選び、『風通しの良いデザイン』を考える。

また、『植生が近い花材』では、『野山の草花とトロピカルフラワー』などはできるだけNGと考え、どうしてもの時は『植生が違いますがどうして合わせたか』となるべく説明するようにしています。

トロピカルな蘭と草花の利休草
国産デンファレの繊細さに観葉植物の葉でなく優しい草花合わせた

そして『エコ』では、デザインをするために花を固定する『吸水性スポンジ』は、『配送』を考えないで良い自宅用の花やお稽古の花でしたら、できるだけ使わないでもできる方法を提案します。
そのまま花瓶に入れるだけで良い花束、アレンジメントで固定する素材は、植物やその他の使い回しができる剣山やワイヤーなど、後々ゴミにしても苦にならないようにしています。

ひと昔はあれこれ難しいテクニックを凝らしたデザインが流行っていましたが、実際のところ現在はナチュラルな方向に向いており、ブライダルのブーケもガチガチに形付けられたものより、ふわっと束ねた物の方が主流。
そういった流れの方が、植物にも負担ないので、私はいいと思っています。

劣化が目立ちにくいグリーンのアンティーク紫陽花と夏の実物のリース
ひと工夫で吸水性スポンジなして製作

このような感じで毎回撮影を進めて行きますが、撮影の最後の方には、残った素材も合わせ、制約を考えない『夢のあるデザイン』の参考作品として一品、作っています。

向日葵いっぱい、元気が出る盛夏のアレンジメント

次回はもう、秋花材での提案に移行します。
地球温暖化、猛暑に台風。花の生産にも様々影響が出てきます。
無事、いつもの秋が訪れることを願っています。

こちらの花レシピは、こちらの通販サイトで順次公開されますので、ご覧ください。


追記
沢山の花を一度にいけていると、とてもシンプルなものを間に入れて、お口直しです。
個人的な好み、はこちらですかね。

紫陽花、クルクマ 、オーニソガラムのシンプルなデザイン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?