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花譜

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四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。
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2022年3月の記事一覧

偶然の失敗を愉しむ

朝ボーッとしていて、フィルム交換しようとカメラにフイルムが入ったまま、裏蓋を開けてしまい、立ち直れないショックだった件は、先日お話ししました。 その現象が戻ってきました。 『おお、割とまともに現像できていそう。』 蓋を開けていたのは、わずか2秒くらいだったので、フィルムロールの中心に近い部分はほぼ大丈夫でした。 私が主に被写体としている生きている花を撮る場合は、自然風景写真やstreet-photoと同じで(大体において写真とはそういうものですが)蕾から開花、枯れるまで

あの日の白木蓮

急な冷え込みが2日ほど続き、ようやく春の暖かさが戻ってきた。 もし、私が自分の庭を持つのなら、白木蓮をシンボルツリーにしたいと思っている。 春になって、何もない枝から、ぽっと白い鳩が次々に増えていく様子は、マジックのようでもあり、 幸福感が溢れているから。 そろそろ、あの家の白木蓮も見頃を迎えるに違いない。 M4を持って出かけた。 途中、ボケや椿、桜もちらほら、満開のミモザの下に入り、誘惑は沢山あったが、今日は白木蓮だから。 近くまでついてもなぜか、白い塊が見えない。

春暁

三寒四温、窓の結露と朝日。

椿

椿、微笑む。

椿の印象

木に春と書く椿。 早いものは、12月ごろから咲き始める。 冷たい空気の中にも春の予感。 出始めの椿は、やはり凛とした白がいい。 そして三月、今や椿の季節もたけなわ。 この時期、ご近所より集めてこれだけの種類が手に入る。 椿は、古来より愛されてきた花で、沢山の園芸品種があり、色や花型も数えられない位。園芸品種はとても華やかだ。 まさにシャンプーのコマーシャルのよう。 椿は、生存戦略として、花を葉の下につけ、下向きに咲くそうだ。 雄しべや花も、虫のいない寒い季節に、鳥たちに蜜

大人になったら梅の花

昨日、毎月恒例の下田の友人の家を尋ねた。 ここのところの暖かさで、もう終わりかけた河津桜と梅の花が山里に白やピンクの色彩を添え、じんわりと春ののどかさが伝わってきた。 お寺の庭で美しく剪定された梅の花も凛として流石、と思うのだが、 寒い冬を越えて、ボツボツとそしてフワーッと野放図に咲いてくる梅の花の逞しさ暖かさは、なんとも言い難い優しさがある。 さて、友人の庭では、梅の実栽培用の梅が咲いている。 ひと枝いただいて、写真に収めた。 若い頃は、春は華やかな桜に心奪われていた

春の球根植物を見つめる

昨日は、暦の上では『啓蟄』。 春の日差しの暖かさに誘われて、虫だけでなく、球根の花も咲き始めます。 秋に植えたアイリスの球根が昨日一つ、今日も一つ、と順に咲いてきます。 球根たちの体内時計って、不思議だなあと思います。 先週の花のワークショプでは、球根付きのミニチューリップやムスカリでいくつかデザインしました。 何もしなくてもタライに入れておくだけで可愛らしい。 参加者の方からは、歓喜の声。 自宅へ持ち帰り、今日で4日目。 初めは、閉じたり、開いたりしていた花も、もうこ