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「その日」は突然訪れる

日経ARIAの特集「要介護、認知症…Xデーが来る前に親と話しておきたい10のこと」という特集のトップバッターとしてインタビューしていただきました。

「あれからの日々」と、今、思うことについて語りました。

ここでも話していますが、「その日」って突然来るものみたいです。私が父の死と母の認知症発症、施設入居が一度にやってきたということを連載するようになってから、友人達から「実はうちもね…」と話を聞くようになりました。

家族のことはなかなか人と共有するものではないですから、誰にも話さず自分で抱えてなんとか対処している人が多いのだなあと思いました。

そしてやっぱり、親が元気なうちはいつまでも元気だと思っていたいものだし、持病を持っていたり長年かかりつけにしている病院などがない場合は、どれくらい危機的な状況にあるのかわからないものなんですよね。

私の場合、父は長嶋茂雄さんや加山雄三さんとほぼ同い年だったので、おふたりをなんとなくベンチマークと考えていた部分があり、まだ大丈夫だろうと高をくくっていたんです。父本人を見ようとしていなかったのですよね。今から考えればなんて私はバカだったんだろうと思いますが。

Amazonでは私の本は「介護」カテゴリーに入っているようですが、死んでしまったあとのことを書いているので介護ではないんですよね。親が死んだ後の始末や無人の実家の維持のことはなんというカテゴリーがふさわしいのでしょうね。

実家の維持のことも施設でどんどん弱っていく母のこともつねに私の頭の中にあり、かなり大きな容量を喰っているので仕事の効率ががっくり下がってしまった1年でしたが、逆に言うと1年前までその心配がなかったのが幸運だったのでしょうね。

親のことだけではなく、みんな、何かの事情を抱えて表に出さず生きています。きっとこれを読んでくださっているあなたも。

トップの写真は、庭仕事が得意だった母が育てていた皇帝ダリヤです。毎年本当にきれいに咲いていました。昨年からはもちろん、もう咲くことはありません。

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