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双極性障害 寛解はあっても治癒はない ならばどうする?

病気が完全に治った治癒(ちゆ)という状態ではないが、病気による症状や検査異常が消失した状態を寛解(かんかい)と言います。
そのまま症状が消えた状態が続き、完全に治る可能性もありますが、再発・再燃する可能性も否定できません。
双極性障害Ⅱ型のわたしですが、この疾患には寛解はあっても治癒はないそうです。

双極性障害Ⅱ型には『うつ状態』『軽躁状態』『混合状態』があり、『寛解』もあります。
いまの自分がどの状態にいるのか。
『気分』『行動』『思考』を分析して、10点満点で評価してみると分かるそうです。

『気分』は気分がいいとか悪い、テンションが高い低いなど。
『行動』は活動量。寝たきりなのか、眠らずに活動しているかなど。
『思考』は考えがまとまっているか、一度に考えられる量が多いか、何も考えられないか。
全ての点数が高ければ軽躁。全ての点数が低ければうつ状態。

混合状態とは3つの点数がバラバラの位置にあります。
行動力はあるのに気分は悪い。身体は動かないし気分も悪いのに、思考だけはずっとぐるぐると廻らせてしまう。気持ちだけが焦っている。
行動だけ出来る。気分は悪い。悪い思考がぐるぐる巡る時は自殺の危険性があるので注意が必要です。

3つの要素が全て10点になる軽躁状態になることが目標ではなく、全てが5点の近くあたりに長く留まることを目標にします。それを寛解と言います。

以前は同じ気分障害に分類されていた双極性障害とうつ病。
クレペリンという人が100年以上前に分類しましたが、最近は双極性障害と遺伝的に近いのは『統合失調症』だと言われています。
家族や親せきに統合失調症や双極性障害の人がいないかを調べれば、うつ病と間違われることは減ると思われます。診断を間違えば間違った治療に結び付くので、ここは大事です。

躁状態の時の絶対的な自信。失敗するわけがないという誇大妄想。
双極性障害Ⅰ型の場合、極端な浪費をしたり、傍目には無謀と思えるような起業をしたり、周りの人どころか危ない人に喧嘩を売ったり……といった事例もあるそうです。
この時の自分に対する過剰な自信、無鉄砲なのに大丈夫だと思っている部分は、確かに統合失調症の妄想状態に近いと感じます。

Ⅱ型の軽躁状態の場合は、Ⅰ型に比べると症状が分かりにくい。本人も気づきにくいし、気づいたとしても「やっと良くなってきた」「この状態が続いてほしい」と思うので、医師に伝えたくない、薬を変えて欲しくないと思うこともありそうです。そもそも躁状態があると思っていないし。

双極性障害Ⅱ型は、うつ状態が94%。混合4%。軽躁2%。自分には躁状態なんてないと思ってしまうのは当然。
双極性障害となかなか診断されずにうつ病の薬を飲んでいた人は、急速交代型になりやすい。躁とうつを短いサイクルで繰り返すので辛い。
なんとか正しい診断に結び付くためには、記録をすることをお勧めします。
面倒ですが、睡眠時間を記録するだけでも。それが目安になります。

で、双極性障害の生存戦略ですが。

仕事をするのなら、残業、夜勤はしない。規則正しい生活を送れる仕事。安定した変化の少ない淡々とした仕事。気分を乱すような上司・同僚のいない部署。まあ、理想形ですけどね。

パワハラ上司と夜勤と仕事量の多さ。昇給がないので年々下がっていく給与という反理想形のなかで仕事をしていた身としては、パートをお勧めします。半日でいいと思う。業種によってはテレワークのパートがいい。

感情を乱されると治療費がかさみます。元も子もないです。
若いうちは体力があるので仕事が出来ますが、それでもブラック企業にフルタイムなんて仕事する意味がないので、お勧めしません。働いた分が治療費になるだけなので。下手したら命を取られます。

イライラして仕方ない時は、その元となる一時感情(不安、寂しさ、怒りなど)が大きいのではと疑ってみて下さい。もともと大きなものがコップの中に入っていれば、水を少し注いだだけですぐに溢れてしまう。
余裕のない状態です。

ならば、余裕の持てる生活をする。
仕事の時間を減らす。朝起きて夜に寝られる仕事にする(夜勤や残業をしない)、身体によい食習慣、日光浴、軽い運動、簡単だけど一人で出来て成果がすぐに分かることをする(料理や掃除など)、趣味を楽しむなど。

あと、SNSですが。
どっぷり浸かるといいことありません。岡田斗司夫さんが言ってたのですが、「不快な発言、過激な発言、誹謗中傷などをするアカウントはミュートしましょう」だそうです。ブロックと違って相手には分かりません。

自分のこころが不安定なのに、それを更に引っ掻き回すツイート(ポスト)をわざわざ見なくていい。そして自分もまた、「あたりさわりのないツイートだけして、過去にもし他人を不快にさせるようなツイートをしていたのなら、それを全て削除して下さい。リツイートも同様に」とのことでした。

「特に若い人は、今の発言が5年後、10年後に掘り起こされる恐れがある。AIですぐに見つけられる。それが就職活動でのデメリットになったり、地位を得た後に引きずり降ろされる原因となったりする」と。

まあ、もう50も半ばのわたしには、どうでもいいかなって話ですが(笑)ただ、SNSから距離をとるっていうのは、正しい選択に思えます。

心安らぐものは、自然のなかにたくさんありそうです。
空を眺めて日光浴をしたほうが、よほどこころにも身体にも良さそうです。
知識なら本のなかにいくらでもあります。過去を生きた人たちも似たような悩みを抱えていたでしょうし。

ただ、言葉もなく受け入れ癒してくれるものは、自然のなかに多く潜んでいると思えます。
言葉がないということは、自分の受け取り方に委ねられるということ。
物言わぬものは、どんな解釈をしても怒ったりしないでしょう。

こちらは梅の花が満開になりましたよ。


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