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マグリット 見えるものだけが真実ではない

今回はわたしの好きなマグリット。
てか面白い絵だよね(笑)

人の子


ルネ・マグリットは1898年にベルギーのレッセンで生まれました。
彼の父親は仕立て屋であり、母親は自殺を遂げたとされています。
マグリットが若い頃に母親が自殺したことは、彼の作品に大きな影響を与えたと考えられています。特に顔が布で覆われた人物を描いた作品は、この悲劇的な出来事と関連づけられることがあります。

マグリットはブリュッセルのアカデミー・ロワイヤル・デ・ボザールで学び、1922年にジョルジェット・バータンと結婚しました。
ジョルジェットは彼の作品に度々登場し、彼の芸術活動を支える重要な存在でした。
マグリットは一時期、広告業界で働きながら絵画を描き続け、その後、彼のシュルレアリスティックな作品が注目されるようになりました。

マグリットの家族や生い立ちについては、彼の作品にも影響を与えており、特に「大家族」という作品は、家族間の愛情や連帯感を象徴するカササギを描いています。この作品は家族というテーマを探求していると同時に、マグリットの個人的な葛藤や人生における影響を反映しているとされています。


大家族


ルネ・マグリットの作品は、シュルレアリズムの中でも特に独特なスタイルとテーマを持っています。彼の作品は、現実世界の物体を非現実的な文脈で描くことで知られており、視覚的な詩のような不思議な魅力を持っています。以下は、マグリットの代表作のいくつかです。

  • 《イメージの裏切り》: 1928-1929年に制作されたこの作品は、パイプの絵の下に「これはパイプではない」という文言が添えられており、言葉とイメージの関係を探求しています。

  • 《人の子》: 1964年に制作されたこの作品は、マグリットがセルフ・ポートレイトと位置づけており、海と曇り空を背景に、顔の大部分が青りんごで隠された男性が描かれています。

  • 《光の帝国》: 1953-1954年に制作されたこのシリーズは、夜の空に浮かぶ明るい街灯を描いた作品で、マグリットの後期の代表作の一つです。

  • 《ゴルコンダ》: 1953年に制作されたこの作品は、空中に浮かぶ多数の男性の姿を描いており、幻の都市ゴルコンダにちなんで名付けられました。

  • 《恋人たち》: 1928年に制作されたこの作品は、顔が布で覆われた男女が口づけを交わしている姿を描いています。

これらの作品は、マグリットが視覚芸術を通じて提起した哲学的な問いに対する探求として理解されています。彼の作品は、観る者に対して現実の見方を再考させ、内省的な思考を促すよう設計されています。

イメージの裏切り

ルネ・マグリットの母親、レジーナ・マグリットは1912年に自殺しました。彼女の自殺の理由は明確には分かっていませんが、彼女がうつ病で自殺未遂を繰り返していたことが知られています。
マグリットが13歳の時に起きたこの悲劇は、彼の作品に大きな影響を与えたとされています。
詳細な理由は不明ですが、マグリットの母親の自殺は、彼の芸術における重要なテーマである「隠された現実」と「見えないものへの探求」に影響を与えたと言われています。

夢の鍵

「隠された現実」と「見えないものへの探求」とは、物事の表面的な側面を超えて、その背後にある深い真実や本質を理解しようとする試みを指します。これは、直接的には観察できないが、存在する重要な要素や意味を探るプロセスです。

例えば、ルネ・マグリットの作品においては、日常的な物や風景が非現実的な文脈で描かれることで、見慣れた現実の背後にある不思議な世界や、隠された意味を視覚的に提示しています。
彼の作品は、見えるものだけが全てではないという考えを示し、観る者に対して、物事の本質や真実を探求するよう促します。

このような探求は、単なる事実やデータを超えて、より深い洞察や理解を求めることを意味し、芸術だけでなく、哲学、科学、日常生活のあらゆる側面において重要な役割を果たします。

ゴルコンダ
恋人たち
水平線の神秘
光の帝国

ルネ・マグリットの作品には、以下のようなテーマ性があります:

  • 言葉とイメージの関係: マグリットはしばしば、言葉とイメージの関係を探求しました。彼の有名な作品「イメージの裏切り」では、「これはパイプではない」という文言とパイプの絵を組み合わせることで、視覚的表象と実際の物体との間のギャップについて考えさせます。

  • 日常と非日常の融合: マグリットの作品は、日常にあるものを非日常的な文脈で描くことで知られています。彼は普段見慣れた物を描きながら、それらに覆い隠された神秘や非日常を表現しました。

  • シュルレアリスムと詩的表現: 詩にも精通していたマグリットは、シュールな絵画に詩的なタイトルを合わせることで、その絵一枚のみではなくタイトルまで含めた魅力的な謎を私たちにもたらしています。彼の作品は、様々な読み取り方の可能性を示唆するところが魅力です。

これらのテーマは、マグリットが視覚芸術を通じて提起した哲学的な問いに対する探求として理解されています。彼の作品は、観る者に対して現実の見方を再考させ、内省的な思考を促すよう設計されています。


***見えるものだけが真実ではないという考えは、とても同意できるな。
思春期の一番敏感な時期に自殺で母親を亡くしたのは、大きな傷を与えたことだろうし、その後の人生への影響は大きかったことと思う。
精神病なんてのはまさに「見えないもの」の代表格だしね。

彼の絵では晩年に描かれた「光の帝国」のシリーズが一番好きだな。
マグリットは似たような絵をたくさん描いてる。光の帝国シリーズも色んな絵があるね。

街灯。水への反射。窓の明かり。嗚呼、ここに住んでみたいと思わせるよ。静かで落ち着く感じの家だね。家ってのはこころの拠り所の象徴でもあるからね。

一時期はルノアールみたいな絵を描いて迷走していたマグリットだけど、やはりここに上げたような絵が一番好きだな。
山田五郎さんのYouTubeチャンネルでも二回にわけてマグリットを紹介していたから、興味あれば探してみてね。