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楽しくなかったイベントと、楽しかったイベント

これは、現ジャンルで活動している時に感じたイベントへのギャップの覚え書き。

・前提

ご存じの方が多いと思うが、2020年からコロナ禍に入り、リアルイベントは殆ど開催されなくなった。されたものもあったが、結局は申し込んでも欠席する人が多かった。2021年の春頃に一度リアルイベントに参加したが、サークル参加の8割が欠席しており、交流も何もできなかった。
そのため、その時にメインで活動していたジャンルのイベント参加はwebオンリーが殆どで、リアルイベントは約2年程遠ざかっていた。
そんな状況が変わったのは、新しいジャンルに出会ったことと、世の中が少しずつ以前の生活を取り戻しつつあったからだ。

・参加への経緯

それまで活動していたジャンルはゲームジャンルで、人気のあるCPで活動していたこともあり、充実はしていた。
本を出せば売れる。言葉は汚いが、本を出せば一定数の人が手に取ってくれた。イベントに出ても出なくても出る数はあまり変わらなかった。
ただ厄介な人がいたりして、そういった面に辟易していたり、感想がもらえなかったり、コロナ禍中に書きたい話を大体書き終えた…ということもあり、少しモチベーションがなくなっていた。
そんな時に出会った、新しいジャンル。こちらはアニメ化前の漫画だったため、まだ創作している人が少なく、けれどこれから人が増えることが確約されているジャンルだった。
前のジャンルからの移動ではなく、並行でやってみようと思い、そのジャンルで細々と活動を始めた。反応がなくても好きに書いて、pixivで多少の評価を受けていた。定期的に原作が展開を迎えるので定期的に楽しみがあった。
適度に創作をして、書いた短編が二桁を超えたので、その際にあったオールジャンルのwebオンリーでweb再録本を作った。再録本なのでゆっくり頒布していこうかな、とあんまり売れなくても気にならなかった。
それから、女性向けでオンリーを定期的に開いてくれる赤ブーブーさんが、そのジャンルのオンリーをやると発表した。このイベントに出よう、新刊を出して持って行こうと、すぐに参加を決意した。
その当時の私にはツイッターで交流などをしておらず、フォロワーも殆どいなかった。反応があるのはpixivがメインで、まあ別にそれでも構わないと、その時は思っていた。

・誤算

部数は前ジャンルより少ないながらも、当日はきっと楽しいイベントになると思っていた。オンリーが開かれるより前に、夏コミにこのジャンルで本を出している人がいたからだ。CPは違ったものの近い位置に配置される人達がいる。
支部のブクマも悪くなかった。別ジャンルからの友人に表紙イラストを描いてもらい、また話の九割をpixivに掲載した。(長編だったので宣伝ついでに殆どを掲載した)掲載時の反応も、その後で行った通販の動きも全然悪くなかった。
約二年振りのイベント。欠席者も少なさそうだし、一般もきっと来てくれるだろう。準備はしっかりして、うきうきと出かけた。

結論として、イベントで売れた新刊は二冊だけだった。
一人は開場すぐ、いの一番に買いに来てくれたフォロワー、もう一人はじっくり見てから買ってくれた。そんなことを、半年は経った今でも覚えている。それぐらい、この日は売れなかったのだ。
これが自分だけ売れてないという状況なら良かった。隣や、他のサークルは普通に売れているのだ。何なら数人の列ができるほど。売れてないのは、自分だけ。その状況に絶望しながら、一人でとぼとぼ帰り、やけ酒を飲んだ。
幸いにも、通販でそれ以上に手に取ってくれる人がいたので赤字出して大損、なんてことにはならなかったが、初めてのジャンルオンリーは悲しいものになった。

・対策

赤ブーブーさんで、以降のオンリーは既に確定していた。一年を通して六回、二か月に一回程度の頻度。この内の半分ぐらいは参加するつもりだった。けれど毎回参加して数冊しか売れなかったらモチベーションが下がる。自分のことだ、どうやったらモチベーションが保てるか分かっていた。
次のイベントは約半年後。この間にできることをやろうと動き始めた。

①作品掲載の方法を変える
これまでpixivにしか掲載していなかったが、ツイッターにも掲載をすることにした。最近はどうやらハッシュタグを付けて投稿するのが主流らしい。前ジャンルはCP名を入れればそれだけで反応してくれたので、大分文化が違うな、と感じた。同じ女性向けでもここまでの差が出るようだ。
なので、なるべくハッシュタグを付けて掲載するようにした。その上でpixivにも掲載する。反応的にはそこそこだった。

②交流をする
繋がりたいタグなどを使って交流を試みた。互助会、とまでは言わないが、やはり多少の交流がなければ情報だって手に入れるのが遅くなるし、気が合う人とだけならそこまで困らないはずだ。
これまで交流をしてこなかったのは、前のジャンルで人間関係で面倒なことがあったからだ。だから交流をメインにはせず、好きなように創作だけをしていた。
でもそれだけじゃいけないと、相互フォロワーを増やした。
そんなことをしていたら、それなりにフォロワーも増え、pixivで読んでくれてた人が声をかけてくれたりした。正直すごく嬉しかった。ブクマなどの反応しか目にしてなかったので、イベントで全然売れなかったことが少しだけ報われた気がした。

③フォロワーを増やす
正直これ、大事だなと思った。知ってもらう必要が絶対にあるな、と。
pixivだけで作品を検索する人が減っている、という所がここ最近の傾向にある。このジャンルでひしひしと感じていた。これで?と思うようなものがブクマ数四桁だったり、大したことないでしょって思ってる人は自分の何十倍もフォロワーがいたりした。
見てくれる人を増やすしかない。そして頑張って増やした。どう増やしたかは、ぶっちゃけてしまうとゲスになるが…フォロワー限定で作品を見せるようにしていった。これだけ。とは言ってもR18作品だったからだ。pixivに掲載する前日でも良い、限定で掲載するだけでフォロワーは増える。ほんとに増えた。今すごいいる。
大声で言うと怒られそうだけど、やらないと前に進めないと思ったので頑張った。

④作品を書く
フォロワー限定で掲載するにも発表するものがないといけない。なのでなるべく定期的に掲載できるようにした。毎日、毎週じゃなくても良い。最低でも月に一度は掲載をしていくのが良い。
フォロワー限定よりも作品作りをしないとまったく意味はないのだ。
偶然にも新刊が短編集だったので、そのサンプルを掲載するついでに週一程度で更新していた。それへの反応はかなりあったので、これまで以上に手応えを感じていた。

・リベンジ

そんなこんなで、フォロワーも増え、pixivも反応がぐっと増えた。何よりジャンルのアニメも始まって、界隈は盛り上がりを見せた。
イベントに参加するサークル数も第一回からぐっと増え、倍…とまではいかないがそこそこになっていた。
新刊は反応が良かったこと、アニメ開始したことで人も増えただろうと部数を増やした。と言ってもオンデマンドなので+10冊だけだけど。既刊の通販の反応も良かったのでね。
この日も一人参戦、その上土日でライブに行ったりもしていた。ライブ→イベント→ライブなんてスケジュール誰が立てた。
まぁ結論は早い方が良いから言ってしまおう。
めちゃくちゃに楽しかった。
何があったかと言うと、まず隣の初めましてなサークルさんと仲良くなれたこと。こっちは一人参加だったので話し相手ができて本当に助かった。そうじゃなかったらスマホずっと弄って態度の悪いサークル主をする所だった。
それから、会場で手に取ってくれる人がぐっと増えたこと。何ならめちゃくちゃ嬉しいことも言われた。すごく嬉しかった。
お向かいの、傾向が明らかに違うサークルさんも買ってくれた。ありがとう。
なので新刊の部数は増やして正解で、通販分と含め7割程度がこの日だけでなくなった。前回会場で二冊しか売れなかった本も、この日に完売してしまった。

・自分なりの分析

上の四つの対策をしただけでこうなるのか?と思ったので自分なりに分析をしたが、他にも要因があったので明記する。
①名前を知ってもらえた
自分が、創作をするキャラが一つのジャンルにおいて複数ではないタイプだった。今のジャンルも一人のキャラに特化して創作をしていた。
理由としては、そのキャラもしくはCPが推しなので、推しの作品が増えて欲しい、推しの良さを知ってもらいたい、が自分の中の意欲だからだ。
なので、繋がっていない近くのサークルさんに挨拶に行き、名乗るとみんなから言われたのが、
「あ、(キャラ名)の!」
だった。
他にも推しキャラで創作している人はいたので、恐らくその人も同じことを言われるかもしれないが、そういう認識を持ってもらえていたらしい。
「推しキャラと言えば」みたいな、そんな風になろうとは思っておらず、ただ自分の解釈で推しキャラの話を書いていただけなので、これにはちょっと驚いた。でも複数のサークルさんにそう思われていたということは、ツイッターやpixivでも同じなのだろう。キャラ特化してて良かったなと思う。
②アニメが始まってジャンルの人口が増えた
前回はアニメがまだ始まっておらず、対策している間にアニメが放送されたので人が増えた。なのでアニメ勢も増えて、同人誌を買う人も同じように増えたのだろう。
イベントでは、前回より圧倒的にコスプレの人が増えていて、レイヤーが増えると人口が増えたんだなあと実感できる。

・最後に

結論として、ジャンルの人口が増え認知もされるようになって、同人誌の頒布数も増えた。最初のイベント参加後に絶望して、このジャンルを撤退しよう、なんて思っていたらこうはならなかっただろう。
けれど同人誌を出すのは趣味でしかなく、本にして出す理由が「紙として手元に残したいから」だったから、対策をしようと思えた。

「自分が紙の本で欲しいので、ついでに頒布する」
「欲しい人の手に渡れば良い」

こうでなければ今のジャンルから離れていたかもしれない。
どこにモチベーションを置くかにもよるだろうし、本当に売りたいならもっとやれることはあるけれど、二次創作の同人誌なので、次の印刷費とイベント代が賄えるぐらいになると良いなあ、でしかない。
趣味が義務になってはならない。これは戒めでもある。

そして、あの日の私へ。
自分だけ誰も立ち止まってくれない。そんな絶望、辛かったね。五年ぐらい同人活動してそんなこと、初期以降全然なかったもんね。今は笑い話みたいにできるけど、それも前回のイベントが楽しかったからだもんね。泣かずによく頑張りました。普段ならもっと荒れてたもんな。売り子とか用意してなくて良かったな。
分析して対策練って対応したの、本当に偉かった。これからも頑張ろうな。

・蛇足

因みに明日のスパコミに参加するので本を作ったのだが、部数を見誤った。少なかった…。
印刷費などの関係で増やさなかった結果、通販と取り置き対応で部数がカツカツになった。何なら既刊もなくなりそう。ジャンル人気すごい。
スパコミでコロナ禍前に戻ったなと思えたので、そのレポを後日残そうと思う。
前回まで一人参加だったけど、今回からは売り子用意しました。


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