楽器練習日記 11:練習曲メモ2
チャップマンスティックを練習していると、ピアノを弾ける人のすごさを実感します。右手と左手で別のものを弾くというのは本当に難しいです。
バイエルの練習曲を弾けるようになるのに、一曲当たり一週間以上かかってしまいます。私の目標はバッハの平均律クラヴィーアを弾けるようになることなのですが、これでは一体いつになるのか見当もつきません。
とにかく効率的に覚えていかなくてはなりません。
現在の覚え方は
① 高音部を暗譜する。
② 低音部を暗譜する。
③ 一小節ずつ高音部と低音部を合わせる。
④ 全体を通して弾けるようにする。
です。
高音部だけ、低音部だけなら大して難しくありません。すぐに覚えることができます。しかし高音部と低音部を同時に弾こうとすると一気に難易度が上がります。どちらかに引っぱられて運指がぐちゃぐちゃになってしまいます。
しかし悪戦苦闘していると、すっと弾ける瞬間がきます。そして高音部と低音部がうまく合わさると片方を弾いていたときとはがらりと雰囲気が変わることがあります。音の響きがとてもキラキラしたものになるのです。
そのキラキラ感はどういった条件で起こるのでしょうか。
今回は標準バイエルピアノ教則本(全音楽譜出版社)25ページ24です。
第1小節から第3小節までは前回やった23とほぼ同じです。注目したいのは第4小節と第7小節です。ここは弾いてみるとキラキラしたきれいな音の響きがします。どういうことでしょうか。
第4小節は高音部がD-F-E-Dと並び、低音部はF-G-Fと並んでいます。対応させると次のようになっています。
D F E D
F G F
FはDの3度上、GはEの3度上です。
第7小節は高音部がE-C-E-Dと並び、低音部がG-E-G-Fと並んでいます。対応させると次のようになります。
E C E D
G E G F
GはEの3度上、EはCの3度上、FはDの3度上です。
このようにして、ある音と3度上の音を同時に鳴らすととてもきれいな響きがすることが分かります。
第9小節から第16小節では曲展開に捻りがあります。
第9小節から第12小節にかけては高音部でDから始まるフレーズとGから始まるフレーズが2回繰り返されます。それにより曲に緊張感が出ます。そして第13小節でCに戻り、ここで終わりかと思わせてDに進み、さらに曲が展開します。