本を読むこと

「趣味は何ですか?」と聞かれたら、最近は必ず「読書です」と答えるようになった。

いつから、と問われると難しい。
小学生の頃から「朝読書」があったおかげか、本には親しみを感じているが、高校に入るとめっきり読まなくなってしまった。

しかしここ最近の1~2年、私は狂ったように(良い意味で)本を読んでいる。
移動中もバイトの休憩中もずっとページを捲っている。小説も読むし、新書の類も読むし、とにかくめぼしいものは何でも貪るように読んでいる。

本の何がここまで私を熱中させたのか?
どうして今こんなにも本を読むことを止められないのか?
なぜかふと、こう思ってしまった。

「読書が好き」というのは、一体何が好きなのだろう。「本自体」なのか「読むという行為」なのか、私は何が好きでこんなにも本を読むことにハマっているのだろうか。

こんなことを考えながらも、新たな本に向き合っていると、こんな文章に出会った。

「完全に忘れることは出来なかったけれど、日常のしんどさを遠ざけてくれたのはやっぱり本だった。」(書きたい生活 著:僕のマリ)

ああ、そうだな、それだ、と思った。
ここ最近の私はずっと日常がしんどい。ずっと締切に追われ、ずっと予定に追われ、上手く休めない、断れない、頑張りすぎてしまう、そんな日常にしんどさを抱えてここ1~2年ほど生きている。

だから、「本を読むこと」に「救い」を求めているのかもしれない。
本の世界に入って現実逃避したり、苦しさを抱えて読んだ本の中から今の自分に刺さる言葉を見つけたり。この世に数多ある本の中に「救い」を探して私は本を読んでいるんだ。
これに気づいた時、ずっと抱えていたモヤモヤが晴れたようで嬉しかった。

きっと私はこれからも本の力を借りながら生きていく。けれど、本の力を借りなくて良い日常に少し憧れてしまうな、とも思った。日常のしんどさが無いなんて、羨ましい限りである。

それでも、どんな日常に居たとしても、感じ取ってしまうしんどさをなんとか昇華しようとして、結局は本に救いを求めてしまうんだろうな。本を読むことが既に日常の私だから。


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