見出し画像

一言物申す、の前に

 他者に対して助言したくなった時、言葉に注意が必要だ。

 ひとりよがりに口にしている場合が多い。名目としては「相手のため」としながらも、実質はその逆効果になっていることが多い。

 そうならないために、僕達はどうすればいいのだろう?

 自分が相手だったとして、それを言われてありがたいと思うかの視点は必要だ。

 口出ししたくなるのは、知識や経験が多いからだ。自分が知っているから、見ていられなくて手出し口出ししてしまう。
 たとえば、子どもの生活の様子を見ていると、大人は黙っていられない。勉強も遊びも料理だって、非効率的で無駄ばかりだ。「だからこうしたらいいんだって」と言う。

 でも、逆の立場だとして、自分が一生懸命やろうとしていることを「ああしろ」「こうしろ」と横から言われるのが気分がいいかと言われたら、そうじゃないはずだ。ありがたくなんか思わない。

 だから、大前提として自分が相手の立場だったらどうかの視点は必要だ。

 そして、それをありがたいと思えるかどうか。

 喜ぶことを言うのは、そう難しくない。相手が求めている言葉をかけてあげればいいからだ。誉め言葉を言えば喜ぶかもしれない。

 けれど、ありがたいと思ってくれるかは別の話だ。それは当事者だけでは気づけなかったことを言われた時に、感謝を覚えると思うのだ。
 だれもが主観がある以上、盲点がある。その盲点に光を当ててくれる言葉に対して、「有り難い」と思うのだ。

 自分ができているかどうかと言われれば、なかなかできていない。けれど、常に忘れないように何度も思い出すようにしている。

読んでいただきありがとうございます。 励みになります。いただいたお金は本を読もうと思います。