出されない声の大きさ

 選挙に行ってきた。
 当然のこととして、自分が権利を手に入れてから一度も欠かしたことはない。

 色々な人が同じように行ってきた報告をしているのを見かける。もちろん、わざわざ報告しなくても行っている人もいるだろう。

 けれど、これもまた当然のこととして、行っていない人もいるのだ。投票率の低さが話題になる程度には、その数字は深刻なのだ。選挙があるたびに思うのは、出されない声の大きさだ。

 今や約半数の人が、自分の意思を表明していない。その中には、なんらかの事情によってできない人もいるだろう。ただ、事実として発せられない意見はあるのだ。

 発せられた声だけを聞いていると、拾い落としてしまうものがある。それは、別に選挙だけの話ではないのだ。

 人と人とが関わる場を作る者としても、常に課題意識を持ち続ける。
 どんなに素晴らしい場があったとしても、必ず言葉にされたなかった意見がある。言わないのが悪いと無視するのは容易いが、僅かでも掬い上げることができればいいと思っている。言わないことと、意見がないことは別だから。

読んでいただきありがとうございます。 励みになります。いただいたお金は本を読もうと思います。