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すり合わせないから面白い

「共有できるなんて思ってない」
 会議をしていた時に、僕はそう口走っていた。

 イメージを共有した上で、それに向かって一緒に向かっていく。そんな内容について話し合っていた。けれども中身がどうにも決まらなくて、今一度お互いの思っていること、感じていることを言葉にしてみようとなった。

 そして、僕は共有できるとは思っていないと言った。
 正確には共有はできるけれど、すり合わせはできないと言いたかった。

 同じ言葉を使っているつもりでも、どこかで差異が生じる。だから、どれだけ時間を費やしたとしてもその溝を埋めることはできないと僕は思うのだ。

 ただ、それがおもしろいと思うんだ。
 だって、一緒にやってみた時に「思わぬことや予想外のアイディア」が出てくるから。

 えっ、そんなこと思ってたの?
 僕は全然違った。
 でも、それ面白いじゃん!

 そういう偶然の産物が尊いのだ。もし完全にイメージが一致してしまったら、もうその先は敷かれたレールをいくだけだ。

「すり合わせられない」とか「あえてすり合わせない」余地を残しておくことで革新が起こるんだ。だれもが同じものを想像していたのに、だれも想像していなかったことが起こるからいいんだよなぁ。

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