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みんなちがうけれど一緒のところは?

 小学校高学年の時、クラスに「みんなちがってみんないい」という標語が書かれていた。僕の学生時代を振り返ってみても、当時の担任の先生は一番印象深い人だった。

 あまり深く考えていなかった僕は、それに疑問も共感も懐いていなかったけど、ふと今になって思う。先生は一体なにを思ってあの言葉を掲げていたんだろう?

 いま、哲学的思考に関する本を読んでいる。

「テツガク」って言葉を聞いただけでアレルギー症状が出てしまう程度には、苦手意識がある。ただ、以前から関心だけはあった。

 哲学者はやけに確信的に断言する。なんでそんなことが言えるのかが不思議でならなかった。

 それはソクラテスの時代から今に至るまで、歴代の哲学者が考え続けてきたからだって書かれていたのを読んで、ようやく腑に落ちた。何千年の時間を費やしてきたんだから、それは最も「確からしい」だろう。

 物事の考え方や捉え方は人それぞれ。それこそ「みんなちがってみんないい」だ。ただ、本当になにもかもがバラバラだったならば、僕達は集団として、一緒に生きていけない。けれど、実際に社会が成立できているのだから、折り合いをつけられる領域がある。

 哲学はその領域を探っているのかもしれない。そう考えてみると、哲学について俄然興味が湧いてきた。

 みんなちがってみんないい。
 じゃあ、一緒のところは?

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