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美しい動きの過程

 昨日、寝る前に突然youtubeで飲食店の厨房を撮った動画を見始めて、気づけば深夜2時になってました。おかげで今日は寝坊しました。
 決して面白い映像ではありません。就寝前なので、食欲が刺激されるわけでもありません。ただ、料理人が手際の良く迷いなく動き続けているのを見ると、とても落ち着く感覚がありました。
 中華鍋を振る動きとか美しかったです。

 ダンスのWSに2回参加したことがあります。
 自分の中にあるダンスに対する苦手意識を克服したかったからでした。けれど、結果的には折り合いをつけられませんでした。それは訓練による難解な動きの発露と外面的な形に注目されてしまうのが、なんだか自分とは合わないと感じました。
 僕は動きの綺麗さとか滑らかさそのものよりも、なぜその動きに行き着いたのかのプロセスに関心がありました。もちろんダンスにもジャンルがあるでしょうが、振り付けが予めあってその理想に近づけていく作業は興味がそそられません。

 一方で、料理人の動きって、美しく動くことが目的ではありません。注文を大量に、速く捌きたい。なおかつ、疲労や身体への負担を抑えたい。それが、何年何十年という蓄積を経ていく中で、結果的に無駄が削ぎ落とされていく。そうして最小限の動きが出来上がる。その過程まで垣間見えて、美しいと感じたのかもしれません。

 まあでも、寝坊するのは良くないので、見るのはほどほどにしましょう。

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