何者の答え合わせは最後がいい
「まずは自己紹介します」
そうやって、お互いに編集した情報を相手に受け渡す。そして、その情報を手がかりに、僕達はコミュニケーションを始める。それは当たり前に根付いた習慣で、とても手っ取り早い。けれども、そこに切なさを覚えてしまうのだ。
どんな背景を持っていて、こんな職業や役職で人だから、こう思うのだ。無意識的に分析して、先入観を持った上でないと関係を築けない。
先に答え合わせをするのは、風情がない。
子どもの時はお互いの名前さえも知らずに、一緒に遊んでいたではないか。「わたし」と「あなた」が何者であるかを知らなくたって、一緒に楽しめるのだ。
あなたが、こう考えているのだというそのことを、まずは受け止めたい。そして、それがなぜなのかを一緒に探っていくのが楽しいのではないか。物語はその過程があるから結末に深みが出るのだ。
答え合わせは最後にするから面白い。
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