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オトナってなんですか

 僕は今年の5月で20歳になった。「オトナになったね」「おめでとう」「オトナとして〜を持ってね、〜が大事だ」と周りのオトナに言われた。

 オトナってなんだ?おめでたいことなんだろうか?とうっすら思いつつも「ありがとう」と感謝の意を込めて一言だけ言ってみた。

 そのうち、「自分は本当にオトナになったのかな?」という疑問が強くなってきた。年齢的にはオトナに確かになったのだと思うし、生物的にも構造は完成していると思う。ただどうしてこんな疑念が生じるのだろうか。自分は中間的な青年だろうか、年齢的にはオトナに分類されるような年齢になっているにもかかわらず、精神的には子供の状態にとどまったままの英語でいう「キダルト」なのだろうか。
 
 疑問が生まれた理由は「オトナ」がなんだかわからないからだった。幼い頃いずれオトナになり、老けていくと勝手に思っていたし、オトナになる瞬間は華やかしいもので開けた世界の入り口扉を開けるような明るいイメージだと思っていた。

 けれどいざオトナと言われる年齢になり、思ったのはオトナになる瞬間なんてないしひらけた明るい世界の扉など開けなかった。寧ろ、コドモの方がひらけているあったかくて明るく、よく見えないながら輝く世界にいたのかなと思う。

 僕が思うのは、このまま曖昧に、緩く、丸くなりながらオトナになるなら、どうせなら「かっこいいオトナ」というものになりたいなと思う。

 かっこいいオトナとは、僕は「こころ」「からだ」「行動」の3つで現れると思う。

 「こころ」というのは精神的に自立(自律)していて、物事の分別がつき、善悪で悩むことができ、他人のことも考えられる。「からだ」というのは肉体的にだるんだるんの腹はなく、身嗜みを整え、すぐに息切れしない体力を持ち、身を呈して大事な人を守る。「行動」というのは、我儘に好きなことをするのではなく、責任をもち、義務を果たし、自分や誘惑に負けることなく、必死に働く。こんなとこだろうか。

 これを徹底して、為せばオトナなのだろうか?僕はそうは思えない。というか本当にわからない。これをなにも徹底していない、何かを為してもいない僕もオトナと言われる年齢だ。僕はオトナなのだろうか。だれかコドモかオトナかわからない僕に教えてください。

 オトナってなんですか?

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