ジャニーズ問題 《被害者の死》井ノ原さん、あなたの言葉がきっかけかも知れません
もうジャニーズ問題を書くのは止めておこうと思っていましたが、今回ジャニーズ性加害当事者の会のメンバーだった40代の男性が箕面の山中で首を吊って死亡していたことが報道され、怒りと悲しみが再び込み上げて来て書かない訳には行かない気持になりました。彼には妻と小さな子どもがいたそうです。家族を持ち新たな人生を歩き始めていた彼がどうしてそんな大事な家族を残して自ら命を絶たなければいけなかったのでしょう。なんとも言いようのない気分になります。彼は今年5月にジャニーズ事務所に被害を申し立て、事務所からは必ず折り返すと言われながら5ヶ月間なんの返事もなく放置されました。愛の反対語は無視や無関心だと言われます。それだけでも彼の心は相当傷ついたと思うし絶望したと思いますが、彼は勇気を奮い9月には実名を出して性加害の告発をします。それが世に知られるとジャニオタと思われる人たちから嘘つき、金目当てなどと誹謗中傷が相次いだそうです。性被害の当事者で本来なら恥ずかしくて言えないことを勇気を振り絞って話した人が何故、なんでここまで攻撃されなければいけないのでしょうか?二度目の魂の殺人が起こったと言っても過言ではありません。事務所が正式に性加害の事実を認めた後でさえこの類の誹謗中傷は続いているのですからとても信じられません。私からすると現役で活躍しているジャニタレこそ勇気を出してその事実を認めジャニー喜多川の鬼畜の所業を糾弾すべきだと思うのですが、そんな勇気のあるタレントは今のところ一人も出て来ていません。
10月2日の記者会見の冒頭で井ノ原氏は被害者に対する誹謗中傷は止めて下さいと呼びかけていました。このことを聞いた時は彼らしい優しさを感じたのですが、時間とともにこれが予め用意されたセリフだったことはバレてしまいました。彼の本心、本音が出たのはそれからたった5日しか経っていない7日のファンクラブでのこの発言でした。
「嫌なことは嫌、違うことは違う、はっきりさせたいことはたくさんあります。弱っている場合ではないのできちんと戦わなければいけないなそう思っています」
思い起せば、これこそファンに向けて一緒に戦おうと言う反撃の狼煙だったのだと思います。ジャニオタはこの言葉にこそ彼の本当の気持を感じたのだ思います。「それなら私たちも頑張る」と思ってしまったとしても決して不思議ではないでしょう。もちろん井ノ原氏はそんな意味で言ったのではないと言うでしょう。でも壊れ行くジャニーズ事務所を不安に思い、こんな励ましを期待していたジャニオタにとってはこれこそまさに天の声であり、私がやって来たことは正しかったのだと思わせるに十分な言葉だったと思います。
被害者の彼が自死したのはそれから1週間後の13日のことでした。さらに激しい誹謗中傷が浴びせられたことが容易に想像されます。心身共に疲れはて非業の死を遂げた彼の御遺族の心の痛みはいかばかりかと思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
もちろんこの悲劇は井ノ原氏だけの責任でないことはよく分かっています。スマイルアップと言うふざけた名前を付けた性加害被害者への賠償に特化した会社が高齢の元裁判官たった3人の下、何人のスタッフで対応しているのかは知りませんが、数百人いや千人を超えるかも知れない被害者に誠心誠意で対応出来ているとはとても思えません。被害者の人数が多過ぎるから機械的に対応すると考えているのだとしたらとんでもないことです。それだけ多くの人の人生が破壊されて来たと言うことな訳です。それ程酷いことをして来たジャニー喜多川を守り続け、従い続けて来た事務所だったと言うことを経営陣もタレントも肝に命ずるべきです。旧ジャニーズ事務所は全財産を投じてでも賠償に専念すべきだし、そこに所属しているタレントは出来るだけ早くそんな事務所から離れ自ら信じる道を歩むべきだと私は思います。