全部丸投げで本当に上手くいくと思っているのか。


情報精査からやりなおしてくれ

毎回そう思う。切り口も凡庸だしそれで他社との差別化ができているとおもっているのだろうか。

同じように見せて同じように宣伝したのでは結局価格が安い方がいいってことになるじゃないか。自分たちのところで売る工夫をしてほしい。

われわれチラシ屋に依頼が来る時にはすでにもうラインナップも見せ方も決まっていて凡庸な材料で凡庸な料理を作り凡庸な皿に盛るほかない。

皿を綺麗にしたり、皿の数を増やしたり、かざりつけを綺麗にしたりしてなんとか雰囲気を出してるけどそうじゃないんだよなぁっていつも思う。


例えば、売りたいお茶があるとする。

普通ならまぁお茶の画像を乗せて、価格を乗せて、特売!とか期間限定!とかのせて、すっきりとした甘み〜とかなんか適当なテキストをのせる。
それじゃぁつまらん。
お茶マニアの店員さんが角度をつけて紹介してほしい
このお茶にあうお菓子3選とか。お菓子と一緒に紹介したり
風呂上がりに〜とか食後に〜とかなんかシチュエーションを想起させてほしい。マニアの角度のついたコメントが欲しい!!!

トイレのリフォームのチラシとかも作ってて毎度思うんだが
ぱっと見の違いなんてよくわからんし、会社ごとにそれぞれ性能にいろんな名前つけてるけど買う側はそんなこと全然興味ないからな。統一しろ。表現を。そのうえで汚れに強いトイレとか、スペースが広々できるトイレとかカテゴリをわけて紹介しろ。

エアコンとかテレビもそう。白い四角と黒い四角がただならんでいるだけのチラシ。なにこれ。知らんがな。選び方とか書いててくれた方がまだ助かるわ。何インチとか書かれても実際ようわからんからな。縦横奥行き㎝で書け。㎝で。


私だったら知識がある人から買いたい。

ぼったくりじゃなく、通常価格で。大きい買い物は特にこのお店のこの人に相談したら解決しそう、答えをくれそう、導いてくれそうなところに頼みたい。違うかな。私はTwitterとかで「これとこれを組み合わせたら最高だった!」みたいな情報をみつけると試したくなってつい買っちゃう。それを店側が誘導できないものか。


自分はすこぶる無力。

なんとかしたいともらった情報だけでなんとかがんばるんです。伝わってますか、私が伝えたいこと?って思いながら作ってる。フィードバックもないし、依頼が続いていることだけが私が正解を出せている証拠かもしれないし、もしかしたら全然成果なんてない可能性もある。わからん。ずーっとわからん。見た人がこのお店行ってみようって思ってくれるチラシをずっとずっと作りたいと思っているよ。


言い訳せずに作る他ない。

じゃぁお前がクライアントに提案しろよと思うだろう。だがそうはいかんのだ。外部デザイナーが外から口出してやってみた施作に企業全体、店舗そのものが納得して動いてくれると思うか?私にそのような力はない!だいたい自分の店や企業をなんとかしたいと思うならまずは内部から湧き上がらないことには成功はない。経営者でも新卒でもいい。社内から声が上がり、動きがないとどうにもならん。どうしようもない時に外部コンサルを呼んだりするんだろうけど、彼らの手札は決まりきっているし、他所で通用したものがここでも通用するかははっきり言って不明。不明なわりにめちゃめちゃ金ばかりかかる。


コンサルさんがやることは決まっている。

私もコンサルさん経由でお仕事いただくことは多く、色々みてきているけど、成功しているなぁと思うところは10社に1社といったところ。同じ手段だなと思いながら付き合うけど、例えば岐阜で通用した事が出雲で通用するかといったらそうでもなかったりする。
だいたいチラシを定期的に打ち、HPを新しくして、新しい事業をさせようとする。そういうパッケージ。
コンサルさんが持ち込んだ新しい事業とかも内部から必要を感じて湧き上がったものではないので大体すぐたち消える。
ただ何もしないよりは動いて見えてくることもあるので色々やってみるのは悪くない。合わないなと思ったら初期投資は捨てて即撤退を決めた方がいい。「これやりたくないな、ほんとはこれがしてみたかったな」という別案が社内から湧き出てきたらもうコンサルは不要だ。たまに都会の風とかを入れるために導入するくらいでいいし、そもそも経営者が社内、社外から情報集めを怠らず、判断を間違えたとしても軌道修正できるくらいの気概があればコンサルも不要な気がする。


デザイナー選び

その上でデザインが必要になったらデザイナーに声をかければいい。有名な人に頼んでもいいし、地元のデザイナーでもいい。なんなら社内のデザインできる人に作らせてもいいと思う。
ただ、社内の人に作らせる場合、その人が会社を辞めても大丈夫なように予備要員を常に数人用意しておいた方がいい。
(一人しかいないとその人がいなくなった時積み上げた知見が全てなくなると思ってもらっていい。辞め方が悪いと最悪過去データの使用について揉める。)
まぁ大体の会社にそんな要員を抱える余裕はないのでランサーズとかクラウドワークスとか、ココナラとかで好みの人を探したりする。
選ぶ時は過去の制作物とあわせて、メールの返信がきちんとあるか、電話に出てくれるか、稼働時間は十分かなども見た方がいい。


他社チラシはツッコミをいれつつ見て

参考にしたい他社チラシがあるのは良い。だけどそこから一捻りしないとオリジナルにはならない。ぜひツッコミを入れながら見てほしい。
「大事な情報それじゃないでしょ」とか
「金額分かりづら、見る気無くすわ」とか
「色使いすぎ、目がチカチカするわ」とか
「なんのチラシかようわからんわ」とか。
なんでもいい。その会社にとっては、
「これはウチにとって他と差別化するための大事な情報」なのかもしれないし
「金額はあえて分かりづらくしている」のかもしれない。
「他のチラシより目立たせたいからアピールしている」し
「上層部が迷走して現場と折り合いつけたらこうなってしまったが、社内の合意はしっかりとれたのでこれでよし」
のかもしれない。でもそこは自分達の会社と違うポイントなのでそこを変えてチラシを作ればいい。結局その場で働く人たちが制作物を愛してくれないと効果は発揮できない。


チラシを作る人も人間なので

クライアントがどんなイメージを持っているのか掬い取り、消費者によりよく伝わる形にしている。何もないところからじゃない。人と人がやりとりをして出来上がっている。丸投げでなんでもいいですよ!で上手く回せるのは敏腕セールスマンだけなんだよな。ちゃんとツールとして機能するものを作りたいなら協力してほしいし、一緒に考えてほしい。今日も私はふわっとした指示からチラシを錬成するけど、ちゃんと見た人に伝えたいという気持ちだけは持ってる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?