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時の風景③ ~Potosi(ボリビア)より~

前回に引き続き、旅の最中に書き留めていたことを。

温度感やその時の香りを残すため、編集はあまりしていません。それでもよければぜひ。

見たり聞いたりしたことに、僕の勝手な推測や解釈をのせていることがあります。内容はあてにしないでね。


5/31~6/2 Potosi



5/31

夜行バス5時到着予定が6時に。ラッキー。もうちょい遅くても良いくらい。バスの中は眠れるし、外は寒すぎるので。

バスターミナルで清掃おばちゃんチームみたいな人たちがいたので、市街中心部に行けるバスがあるか聞く。それくらいはスペイン語で聞けるようになっているのが嬉しい。

タクシーしかない、10Bsくらいだよと教えてもらう。2回確認したけどタクシーだけと言っていた。わかった、ありがとうと伝える。

荷物がそこそこ重いので迷う。宿泊場所まで3-4kmくらいなので歩けないこともないなあと考えながらターミナルを出る。


おさまり方がかわいい野良犬さん


ひとまず大通り沿いに中心街へ向かってバスを見かけたら乗る、疲れたらタクシーを捕まえる作戦。バスはたったの2Bs(約40円)だから、タクシーに乗るのはなんだかしゃくにさわる。

工夫次第で解決できることはなるべくお金に頼らずにいきたい。

案の定止まっているバスを見つける。何時に出発する?と聞くと、もういくよーと。外はまだ暗いからもしかしたら待つかもと思っていたので心の中でガッツボーズ。



全然関係ないけど、Rosillasにいたとき、宅配便をまったくといっていいほど見なかった。通販とか耳にもしない。都市部ではあったのかもしれないけど。


ホステルに荷物を置き、しばらく休んでから散歩へ。

出かけようかなと準備を始める。なんか太陽出てきても寒いなあと思って調べると、最高気温14℃、最低気温-2℃。マイナス!!!笑

Potosiめっちゃ風情ある!楽しい。人は静かめな印象。


ポトシはスペインの植民地支配の影響が強かった場所らしい。
町の中心部はスペイン人居住地だったのでこんなふうにカラフルでおしゃれな建物が多い。
中心から離れていくと、レンガ色でシンプルな造りの似たような建物が立ち並んでいた。


ナイキのスニーカーを買ってすごくいい顔をして歩いていく若者。

中高生は学校にメイクしていくのがわりと普通。


スーパーマーケットにはまじで人がいない。陳列とかサービスとかちゃんとしているけど本当に客がいない。平日昼間だからかも。メルカド(市場)の中も閉まっているお店が多かった。


11:30
完全に高山病の症状が出ている。メルカドにいってコカの葉をゲットしよう。あと、街が静かな印象を受ける理由はクラクションの少なさだと気づく。

高山病だいぶしんどい。コカを使っても時々どーんとくる。頭痛と倦怠感、疲労感。


12:30
小学生とその保護者たちの大群。バスも満員。人が多い。


14:00
ランチを食べて、フルーツを買い、ホステルへ。しんどすぎてすぐに横になる。ここから翌朝まで基本ベッドだった。


18:00
既にお金も払って予約していた翌日の鉱山ツアーに行けなくなるかもなあとか、その場合のリファンドは当日言うより今日のうちに言ったほうが可能性あるだろうなとか考えてフラフラだけど交渉に行く。たまたまホテルのすぐ近くの旅行会社を選んでいて本当に助かった。


旅行会社にて。強そうなおばちゃん(タヨさん)にコカとまた別の薬草いれたお茶飲めば大丈夫大丈夫、高山病は普通のことだから、心配するな、明日には元気になってる、明日無理なら明後日でもいいし、とゴリ押しされる。安心とほんのちょっとの不気味さ。


コカは噛むよりお茶にしたほうがいいとのこと。そこまで言われたらまあ信じてみるかと、薬草をもらって帰宅。

飲んですぐ寝て2時間くらいしたらたしかに頭痛は収まってきた。熱っぽさはすごかったけど。


そのまま寝続けたけど、高山病の影響で熟睡はできない。1時間ごとに微妙に目が覚める感じ。途中、死ぬまでこのまま暗い布団の中にひとりでずっといるのも悪くないなあとか感じていた。今となってはよくわからない。


体調やられると、メンタルもやられやすいなあと改めて実感。タクシーの10Bsはけちっていたのに、ツアー代90Bsも最悪なくなってもいいかーとか考えてた。


6/1

ツアーの日。朝9時ちょい前に部屋をノックする音。なぜかタヨさんが部屋に来た。想定外すぎたけど、少し話して午後ツアーに変更してもらうことに。パラセタモンという薬も飲むといいよーとアドバイスもらう。

14:00
タクシーで出発したはいいものの、5分ほど行ったとこでタクシーを待たせて何か用事を済ませに行くタヨさん。



物語る煙

Cerro Rico
現在働いているのは2万人(ポトシ全体は30万人)
1日8時間労働で日給150-200Bs(断然危険でキツイ仕事なので他の単純労働と比べるともちろんかなり高いらしいが、選択の余地なくここで働いている人も多いらしい。)
もとは国営だったが、今は民営でボリビア国内に数社。
カナダやスイスの企業も。

誰も音楽を流さずに作業している。暗くて狭い通路で近づいてくるトロッコの音に気づくためか、なにか神聖な理由なのか。

ティオという神様。
仕事始めにこの前でタバコを吸うのが縁起いいらしい。


あそこの中でずっと作業していたら気が滅入りそう。会話もあまりないし、日光も植物も動物もない。過酷。体験していないから過酷という言葉が適切なのかはわからないけれど。



6/2

自分は生きてるだけでいい、そしてなるべくエネルギーの湧くことをできるとなおよい、

という考え方だと楽だと感じてきているが

きちんと果たすべき義務や正すべきことがある

という考え方がやはり捨てられないような気もする。

それはどうしてなのか、と考えてみると、やはり他者の評価が気になるからであるように思う。どんだけ気にするんだよ、と思うが気づかないうちに気にしているよりはいいか。あと、他者というのも単に他人というよりはもうちょっと高いところから「こう生きるべき」という目線が自分の中に生きているような。神と呼んでもいいし、価値観・美意識と呼んでもいいし。


以前聞いたパッション(好きなこと、情熱が湧くこと)とミッション(取り組みたい課題、つくりたい未来)でも置き換えられそう。


たまたま、生まれ育った環境や性格や個性のようなものによって、ミッションによってはあまりエネルギーが湧いてこない個体である、というだけのことかもしれない。


いくらミッションに沿って生きることが美しくみえてそれに憧れたとしても、そこに自分を無理にはめていくことはできない。自分における経験則でしかないけど、それに限れば起こる確率の高いパターンが見えてくる。


必要以上の理想を自分に課して結果として自分のエネルギーを発揮しきれないよりは、やはりエネルギーが湧く方へと進んでいったほうがいい意味でマシで、すべてのためになるように思える。もちろん自分の出せる力を自分で全部把握できるわけがないので、ある意味で限界を勝手に設定しているのかもしれないが、今のところはこれに納得しているし、これがいい。無理はあまりしたくない。


~~


バス乗り場へ。


ウユニ行きのバスを探す。狙っていた12:30発は売り切れだよと言われたが、すぐに11:00のバスを紹介される。狙っていたのは20Bs(400円)だったのが30Bs(600円)だと言われたが、早く着けるならラッキーなのでこれに決める。


時間を確認したら10:59だった。別に焦ることはない。チケット売り場のお姉さんがだいぶ急ぎ目で名前を書いたり、お釣りを渡してきたので、一応少し急ぎ目でバスへと向かう。隣はいなくてラッキー。


バスの窓から。

それにしても今日は天気がいい。昨日は曇りがちだったけど、今日はだいぶ温かい。15℃とかかな。それでも最低気温が-3℃なのは標高4,000mだからこそ。そういえば高山病は昨日の夜からすっかり治っていた。時間の経過かもしれないし、パラセタモン飲んだからかもしれない。


2泊だけで、丸1日くらいダウンしていたので短い滞在だったけど、なんか濃密だったPotosiでの時間。もともと来る予定はまったくなかったけど、Tupizaでの政治デモやTarijaからUyuniへの直通バスがなかったことが重なりたまたま訪れることになった。ひとまず、来れてよかった。

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